中国企業に投資するには?米国市場で取引できるADRの特徴と注意点を解説
中国株に投資しようと考えたとき、「A株」「H株」「香港株」「中国企業ADR」など、複数の投資手段があることに戸惑う方もいるのではないでしょうか?
中国企業のなかには中国本土市場や香港市場だけでなく、米国市場に上場している企業もあります。
こうした銘柄は、ADRを通じて米国株取引の枠組みで投資できるため、普段から米国株を取引している日本の投資家にとっても、なじみやすい選択肢といえるでしょう。
本記事では、中国企業に投資する主な方法を整理したうえで、米国市場を通じて中国企業に投資する方法や、代表的な銘柄、投資時に確認しておきたいポイントをわかりやすく解説します。
中国企業に投資する主な方法|A株・H株・ADRの違い
投資方法 | 主な取引市場 | 主な取引通貨 | 通常取引時間(ザラ場) | 特徴 |
中国本土株 | 上海証券取引所・深セン証券取引所 | 人民元・外貨など | 10:30~12:30、14:00~16:00 | A株・B株などがあり、中国本土市場に上場する株式。 |
香港株・H株 | 香港証券取引所 | 香港ドル | 10:30~13:00、14:00~17:00 | 香港市場に上場する株式。H株は中国本土で登記された企業が香港市場に上場しているもの |
中国企業ADR | NYSE・NASDAQなど | 米ドル | 22:30-05:00(夏時間)/ 23:30-06:00(標準時間) | 米国市場で取引できる海外企業の証券。米国株取引の枠組みで中国企業に投資できる |
中国企業に投資する際は、主に「中国本土株」「香港株・H株」「米国市場に上場するADR」など複数の選択肢があります。
中国本土株は、上海証券取引所や深セン証券取引所に上場している株式です。人民元建てで取引されるA株と、外貨建てで取引されるB株に分けられます。A株は主に中国本土の投資家向けで、外国人投資家の取引には一定の制約があります。
香港株やH株は、香港証券取引所に上場している株式です。H株は、中国本土で登記された企業が香港市場に上場している株式を指します。
これに対してADRは、米国市場で取引できる海外企業の証券です。
中国企業のなかには、NYSEやNASDAQなどの米国市場にADRとして上場している銘柄もあり、それらの銘柄は米国株取引の枠組みで投資が可能です。
投資対象が中国企業であっても、取引する市場が異なれば、取引時間、通貨、手数料体系なども異なります。そのため、中国企業への投資を検討する際は、どの市場を通じて投資するのかを確認しておくことが大切です。
moomoo証券では、米国株取引の枠組みで、米国市場に上場する中国企業ADRを取引できます。
普段からmoomoo証券アプリで米国株や日本株を取引している方は、同じアプリ内で中国企業の銘柄選定・分析から注文まで行えるため、投資機会を捉えやすくなります。
ADRとは?米国市場で海外企業に投資できる仕組み
ADRとは、American Depositary Receiptの略で、日本語では「米国預託証券」と呼ばれます。米国外の企業の株式を裏付けとして、米国市場で取引できるようにした証券です。
なお、ADRと似た言葉にADSがあります。ADSはAmerican Depositary Shareの略で、実際に米国市場で取引される預託株式を指します。一般的な投資記事では「ADR」とまとめて説明されることが多いですが、企業のIR資料等では「ADS」と表記されるケースもあります。ADR・ADSには、1ADSが原株何株に相当するかという比率が設定されており、この比率は銘柄によって異なります。

moomoo証券アプリでは、米国市場に上場する中国企業のADRをテーマ機能から検索でき、投資対象となる中国企業株を簡単に見つけることができます。

中国企業ADRが投資手段として選ばれる理由
まず米国市場で取引できる点が挙げられるほか、以下のような理由があります。
米ドル建て取引:
米国市場は世界の投資家が参加する流動性の高い市場です。中国のテクノロジー企業、EC企業、EV関連企業などに米ドル建てで投資できるため、中国経済や中国企業の成長性に注目する投資家にとって、ADRは有力な選択肢の一つになります。
情報の入手容易性:
ADRは米国証券取引委員会(SEC)の規制下にあるため、アリババ、バイドゥ、PDDホールディングス、JDドットコムなどの企業も、英語で企業情報の開示を行っており、日本の投資家にとって情報収集が比較的容易です。
moomoo証券では、米国株の約6,000銘柄が夜間取引に対応しており、アリババやバイドゥなどの中国企業ADRも対象に含まれています。

代表的な中国企業ADR
アリババ・グループ(BABA)
$アリババ・グループ・ホールディング (BABA.US)$ は、中国を代表するEC・クラウド関連企業です。淘宝、天猫などのECサービスに加え、クラウド、デジタルメディア、物流関連事業なども展開しています。
中国消費、EC市場、クラウド事業、AI関連需要などに注目する投資家にとって、アリババは中国企業ADRの代表的な銘柄といえるでしょう。
JDドットコム(JD)
$JDドットコム (JD.US)$ は、中国の大手EC企業です。自社物流網を強みとし、オンライン小売、物流、テクノロジーサービスなどを展開しています。
中国の個人消費、EC競争、物流インフラの動向を見るうえで注目される銘柄です。
百度(BIDU)
$バイドゥ (BIDU.US)$ は、中国の検索エンジン大手として知られる企業です。近年はAI、クラウド、自動運転関連事業にも注力しています。
AIクラウドや生成AI関連の取り組みが注目されており、中国のAI関連企業に関心がある投資家にとって確認しておきたい銘柄の一つです。
PDDホールディングス(PDD)
$PDDホールディングス (PDD.US)$ は、NASDAQに上場する中国系コマース企業です。中国国内のECサービスに加え、海外向けECプラットフォームであるTemu関連でも注目されています。
中国国内消費だけでなく、越境ECやグローバル展開の成長性を見たい投資家にとって、注目度の高い中国企業ADRです。
そのほかの中国企業ADR
このほかにも、中国企業ADRには、オンライン旅行の $トリップ・ドットコム・グループ (TCOM.US)$ 、EV関連の $ニオ (NIO.US)$ 、 $LI・オート (LI.US)$ 、 $シャオペン (XPEV.US)$ 、不動産関連プラットフォームの $KEホールディングス (BEKE.US)$ などがあります。
業種によって株価に影響する材料は異なります。EC企業であれば消費動向や競争環境、AI関連企業であればクラウド需要や広告収益、EV企業であれば納車台数、価格競争、補助金政策などが重要な確認ポイントになります。
中国企業ADRに投資する際のチェックポイント
中国経済の動向です。個人消費、雇用、不動産市況、政策支援などは、中国関連銘柄の業績や投資家心理に影響します。特にEC、旅行、広告、EVなどの業種は、中国国内の消費環境と関係が深いため、マクロ指標や政府の景気対策を確認しておくとよいでしょう。
次に、米中関係です。中国企業ADRは米国市場で取引されるため、米中間の規制や上場維持に関するルール、地政学的リスクの影響を受ける可能性があります。ニュースによって短期的に株価が大きく変動することもあるため、個別企業の業績だけでなく、政策・規制面の材料にも注意が必要です。
為替の影響も見逃せません。中国企業ADRは米ドル建てで取引されるため、日本の投資家にとっては、株価変動に加えて米ドル円の為替変動も投資成果に影響します。米国株と同じく、円高局面では円換算の評価額が下がりやすく、円安局面では円換算の評価額が押し上げられやすくなります。
手数料や費用も確認しておきたいポイントです。moomoo証券で中国企業ADRを取引する場合、米国株と同じ取引手数料体系が適用されます。一方で、ADRでは通常の取引手数料とは別に、預託銀行が定めるADR管理費用が発生します。費用はADRごとに異なりますが、一定期間毎に1株あたり平均0.02〜0.05米ドル程度が目安とされています。費用や徴収時期は銘柄ごとに異なるため、取引前に最新の情報を確認しておきましょう。
米国上場ETFで中国関連銘柄に投資する方法もある
個別の中国企業ADRだけでなく、米国市場に上場する中国関連ETFを活用する方法もあります。
中国関連ETFは、複数の中国企業や中国関連銘柄にまとめて投資できる金融商品です。個別銘柄を選ぶのが難しい場合や、中国株全体、中国大型株、中国インターネット関連企業などに分散して投資したい場合に選択肢となります。
代表的な米国上場の中国関連ETFには、中国大型株に投資する $iシェアーズ 中国大型株 ETF (FXI.US)$ 、中国インターネット関連企業に投資する $クレーンシェアーズ CSI チャイナ・インターネット ETF (KWEB.US)$ などがあります。ETFごとに対象指数、組入銘柄、業種配分、管理費用、値動きの特徴は異なるため、投資前に内容を確認することが大切です。
また、 $Direxion デイリー FTSE中国株 ブル 3倍 ETF (YINN.US)$、 $Direxion デイリー FTSE中国株 ベア 3倍 ETF (YANG.US)$ 、 $Direxion デイリー CSI中国インターネット指数株 ブル 2倍 ETF (CWEB.US)$ などのレバレッジ型・インバース型ETFもありますが、これらは日々の値動きに対して一定倍率、または逆方向の投資成果を目指す商品です。値動きが大きくなりやすく、基本的には長期保有には向かないため、仕組みを理解したうえで検討しましょう。
ティッカー | ETFの特徴 | 主な投資対象 |
FXI | 中国大型株に投資する代表的なETF | 香港市場に上場する中国大型株 |
KWEB | 中国インターネット関連企業に投資するETF | EC、ネットサービス、テック関連 |
YINN | 中国大型株の値動きに対して日次3倍を目指すブル型ETF | 短期売買向け |
YANG | 中国大型株の値動きに対して日次-3倍を目指すベア型ETF | 短期売買・下落局面向け |
CWEB | 中国インターネット関連株の値動きに対して日次2倍を目指すブル型ETF | 短期売買・中国ネット株の上昇局面向け |
moomoo証券アプリでは、中国関連ETFを効率よく探し出すことができます。

まとめ
中国企業に投資する方法は、香港株や中国本土株だけではありません。米国市場に上場するADRやETFを活用すれば、米国株取引の枠組みで中国企業に投資することができます。
個別企業に投資したい場合は中国企業ADR、複数の中国関連銘柄に分散して投資したい場合は米国上場ETFというように、投資目的に応じて使い分けることが大切です。
moomoo証券で中国企業ADRを取引する流れ
Step3:銘柄を探す
Step4:注文内容を確認して発注する
※本記事では、moomoo証券で取引可能な米国市場上場の中国企業ADRおよび米国上場ETFを中心に解説しています。moomoo証券では、現時点で中国本土株や香港株・H株の直接取引には対応していません。取扱銘柄や手数料、費用などの取引条件は、取引前に最新情報をご確認ください。
これらの内容は、情報提供及び投資家教育のためのものであり、いかなる個別株や投資方法を推奨するものではありません。こちらの投資情報は説明目的の用途でのみ提供されており、すべての投資家にとって適切であるとは限りません。 詳細情報
