信用取引とは? 株式信用取引の 仕組み・メリット・リスクを 初心者向けに徹底解説

07/08 11:28

信用取引とは何か?現物取引との違いをわかりやすく解説

信用取引の基本的な仕組み
信用取引では、投資家が証券会社に担保(委託保証金)を差し入れ、その担保をもとに資金や株式を借りて売買を行います。一般的に、預けた保証金の日本株は約3.3倍、米国株は約2倍まで取引可能です。

また、信用取引では「買い」だけでなく「空売り(からうり)」も可能です。株価の下落局面でも利益を期待できるため、相場環境に応じた柔軟な運用ができます。
ただし、利益が大きくなる可能性がある一方で、損失も拡大するリスクがあるため、仕組みを理解したうえで利用することが重要です。

【比較表】現物取引と信用取引の違い

比較項目

現物取引

信用取引

自己資金以上の取引

不可

可能

空売り

不可

可能

金利・貸株料

なし

あり

損失が元本を超える可能性

原則なし

あり

向いている投資スタイル

長期投資

短期売買・積極運用

制度信用取引と一般信用取引の違い

制度信用取引:取引所のルールに基づく標準的な信用取引です。返済期限があり、空売りでは「逆日歩(ぎゃくひぶ)」が発生する可能性があります。

一般信用取引:証券会社が独自に提供する信用取引です。返済期限が長い、または無期限の商品もあり、逆日歩が発生しないケースが多い一方、貸株料が高めに設定されることがあります。

信用取引の基礎用語

用語

意味

保証金

信用取引の担保として預けるお金

マンションの敷金のようなイメージ

建玉(たてぎょく)

まだ決済していない取引

買ったまま保有している状態

買建(かいたて)

借りたお金で株を買うこと

株価上昇を期待

売建(うりたて)

借りた株を売ること(空売り)

株価下落を期待

返済売り

買建を売って決済すること

信用買いの終了

返済買い

売建を買い戻して決済すること

空売りの終了

金利

借りたお金にかかる費用

信用買いで発生

逆日歩(ぎゃくひぶ)

空売りで株不足時にかかる追加費用

信用売りで発生する場合がある

追証(おいしょう)

保証金不足で追加入金が必要な状態

損失が大きくなった場合

ロスカット(強制決済)

建玉を強制的に決済されること

証拠金維持率の低下や追証未対応の場合

信用取引のメリット|レバレッジ・空売り・デイトレへの活用法

空売りができる
株価が下落すると予想したときに、株を借りて先に売り、後で買い戻すことで利益を期待できます。
デイトレード向き
一日信用取引(デイトレ信用取引)を使えば、当日中に返済する前提で低コストで短期売買を行えます。
米国株対応
米国株・ETFの信用取引にも対応しており、海外市場でのレバレッジ運用が可能です。

米国株における信用取引とは

米国株市場は世界最大の株式市場であり、成長企業や大型テクノロジー企業への投資機会が豊富です。
米国市場は値動きが大きい銘柄も多く、信用取引によるレバレッジ効果が大きくなる一方でリスクも高まります。取引前には必要証拠金や維持率を十分確認することが重要です。

一日信用取引(デイトレ信用取引)とは

ただし当日中に返済できなかった場合には通常の信用取引ルールが適用されるため、事前に取引条件を確認しておきましょう。

信用取引の配当金・株主優待の仕組み

信用取引と配当金
買建ポジションを権利確定日まで保有した場合、配当に相当する金額(配当金相当額)の受け取り対象となる場合があります。
一方で信用売りを行っている場合は、配当金相当額の支払い義務が発生することがあります。
配当狙いの取引では、権利付き最終日や権利落ち日の値動きにも注意が必要です。

信用取引と株主優待
株主優待の権利取得を目的として信用取引を活用する投資家もいます。
代表的な手法が「優待クロス(クロス取引)」で、「現物株を買う」と「同じ銘柄を信用売りする」を同時に行う方法です。
株価変動リスクを限定しながら株主優待取得を目指す手法として知られています。
ただし、貸株料、逆日歩、売建可能な株数(在庫)不足などのコストやリスクが発生する可能性があります。利用する際は仕組みを十分理解した上で判断することが重要です。

信用取引のリスクとデメリット|やめとけと言われる本当の理由

追証(おいしょう)とは?仕組みと発生時の対処法

追証(追加保証金)とは、含み損の拡大によって保証金維持率が基準を下回った際に、追加で保証金の差し入れを求められる制度です。

追証が発生した場合の対処法は次の3つです。

  • 追加で資金を入金する:最も一般的

  • 保有ポジションを一部決済する:必要保証金を減らして維持率を改善する

  • 保有ポジションを返済(全決済)する:損益を確定し、建玉を解消する

放置すると証券会社による強制決済(ロスカット)が行われる場合があります。
そのため、信用取引では常にリスクを管理し、適切な資金運用を心がけることが重要です。

信用取引の手数料・コスト完全ガイド

信用取引でかかる主なコストの種類

コスト

内容

売買手数料

注文ごとに発生

金利

資金を借りた場合に発生

貸株料

株式を借りた場合に発生

逆日歩

制度信用の空売りで発生する可能性あり

名義書換料など

権利付き最終日をまたぐ場合などに発生

実質コストは「手数料+金利・貸株料」で考える
短期売買では手数料の比重が大きく、長期保有では金利や貸株料の影響が大きくなります。

信用取引の手数料シミュレーション

  • 取引手数料+買方金利

を合算して総コストを考える必要があります。

一方で当日中に返済するデイトレードでは、金利負担が発生しないケースもあるため取引スタイルによって実質コストは大きく異なります。

信用取引の税金について

信用取引で得た利益は、原則として株式譲渡益と同様に申告分離課税の対象となります。
税率は所得税・住民税・復興特別所得税を合わせて20.315%です。
また、信用取引で損失が発生した場合には、一定の条件を満たすことで最長3年間の損失繰越控除を利用できる場合があります。
さらに、源泉徴収ありの特定口座を利用している場合は、証券会社が税額計算や源泉徴収を行うため、確定申告が不要となるケースもあります。
ただし税務上の取り扱いは個人の状況によって異なりますので、税務判断については税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。

※本記事は税務アドバイスを目的とするものではありません。

信用取引に向いている人・向いていない人

向いている人 【適性あり】
・相場を日常的にチェックできる
・損切りルールを守れる
・短期売買の経験がある
・余裕資金で運用している
向いていない人 【注意】
投資初心者で仕組みを理解していない
価格変動で強いストレスを感じる
借金をしてまで投資したいと考えている
長期積立だけを目的としている

リスクを抑える3つの鉄則

  1. レバレッジを低く抑える:最大枠まで使わず余裕を持つ。最初は1〜2倍程度から始めるのが無難です。

  2. 必ず損切りラインを決める:「○%下がったら撤退」を事前に決めておきます。

  3. 追証を避けるため保証金維持率を常に確認する:最低基準ギリギリではなく、余裕を持った資金管理を行う。

よくある質問(FAQ)

  • 信用取引で借金を負うことはありますか?

    あります。相場が急変した場合には、預けた保証金を超える損失が発生し、追加で支払い義務が生じる可能性があります。

  • 信用取引は初心者でもできますか?

    利用は可能ですが、まずは現物取引で株式投資の基本を理解してから始める方が一般的です。

  • NISAで信用取引はできますか?

    原則としてNISA口座では信用取引は利用できません。

  • 信用取引と現物取引はどちらがおすすめですか?

    投資初心者の場合は、まず現物取引で経験を積むのがおすすめです。信用取引は仕組みやリスクを十分理解したうえで利用しましょう。

まとめ|

信用取引は、「少ない資金で大きな取引」「下落相場でも利益を狙える」という現物取引にはない強力なメリットがある一方、「損失拡大」「追証」という大きなリスクも伴います。仕組みとコストを理解し、まずは小さな金額から経験を積むことが、長く市場で生き残るための近道です。

これから信用取引を始める場合は、まず現物取引で投資の基本を学び、信用取引では低レバレッジ・余裕資金・損切りルールを徹底することが重要です。無理のない範囲で経験を積みながら活用していきましょう。

※信用取引には元本を超える損失が生じるリスクがあります。契約締結前交付書面・約諾書等の重要事項(リスク・手数料等)を必ずご確認の上、自己の判断でお取引ください。

これらの内容は、情報提供及び投資家教育のためのものであり、いかなる個別株や投資方法を推奨するものではありません。こちらの投資情報は説明目的の用途でのみ提供されており、すべての投資家にとって適切であるとは限りません。 詳細情報

目次
信用取引とは何か?現物取引との違いをわかりやすく解説
信用取引のメリット|レバレッジ・空売り・デイトレへの活用法
信用取引の配当金・株主優待の仕組み
信用取引のリスクとデメリット|やめとけと言われる本当の理由
信用取引の手数料・コスト完全ガイド
信用取引に向いている人・向いていない人
よくある質問(FAQ)