さまざまなETFの紹介(2)

05/19 14:29

1. 指数レバレッジ型のETF

レバレッジ型指標は、TOPIX(東証株価指数)などを基にして、その日々の変動率に一定の倍率を掛けて算出される指標です。レバレッジ型指標は、通常の指標とは異なり、値動きや想定されるリターンに特徴があるため、十分にご注意ください。

では、実際の $iFreeETF TOPIXレバレッジ(2倍)指数 (1367.JP)$ を例に説明しましょう。

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チャート1「iFreeETF TOPIXレバレッジ(2倍)指数の基準価格と純資産額

出典;大和アセットマネジメント株式会社 作成の月次報告書

上のチャートでは、オレンジ色の折れ線がベンチマーク(原資産)であるTOPIXの価格を示し、黄色の折れ線がTOPIXレバレッジ(2倍)指数のETFの基準価格を示しています。

ここで、基準価格について詳しく見てみましょう。チャートを見ると、ETFの基準価格はベンチマーク(TOPIX)よりも高くなっていますが、正確に2倍にはなっていませんね。ベンチマークとETFの基準価格(ファンド)の騰落率を示した表が下記にあります。

チャート1に記載されているファンドとベンチマークについて解説します。

TOPIXレバレッジ(2倍)指数は、TOPIX(東証株価指数)の日々の変動率の2倍となるように算出されています。したがって、ある営業日の変動率は前営業日と比較してTOPIXのおおよそ2倍となります。しかし、2営業日以上離れた日との比較では、複利効果により、TOPIX(東証株価指数)の変動率の2倍を超えたり、下回ったりする場合があります。特に、TOPIX(東証株価指数)が上昇と下落を繰り返す場合、複利効果の影響でTOPIXレバレッジ(2倍)指数の値動きが実際の動きよりも小さくなる傾向があります。

「期間別騰落率」によると、ETF設定来からの1年間は、TOPIXが上げ下げを繰り返す相場であったため、ETFのパフォーマンスは振るいませんでした。

TOPIXレバレッジ(2倍)指数は、TOPIX(東証株価指数)が上昇トレンドにある場合、レバレッジが掛かっていないTOPIXを原指標とするインデックス型ETFよりも大きな収益を上げることが期待されます。2021年以降はTOPIXが上昇しているため、TOPIXレバレッジ(2倍)指数の上昇が際立っています。

2. 指数インバース型のETF

ダブルインバース(-2倍)指数のETFについて解説します。その実例として、 $iFreeETF TOPIXダブルインバース(-2倍)指数 (1368.JP)$ を取り上げます。このETFは、名前からもわかるように、原指標である「TOPIX」の変動率のマイナス2倍の値動きを反映する指数です。この指数は、TOPIXの1日の変動率(前日終値と当日終値を比較して算出)を「-2倍」したものを、前日の指数値に乗じて算出されます。ただし、指標と原指標は完全な逆相関ではないため、複数日以上の期間においては複利効果の影響で、指数値がTOPIXの変動率の「-2倍」とはならず、計算上の差が生じます。この差は当該期間中のTOPIXの値動きに応じて変化し、プラスにもマイナスにも生じる可能性があります。

一般に、TOPIXの値動きが一定の範囲内で上下を繰り返すボックス相場(揉み合い相場)では、パフォーマンスがマイナスの方向に差が生じ、対象指標は逓減する可能性が高まります。また、ボックス相場の期間が長引くほど、その差が大きくなり、対象指標の低下傾向が強まる特性があります。

ここで、もう一度チャート1をご覧ください。2018年から翌2019年にかけてのTOPIXは、上げてはすぐ下がるという揉み合い相場が続いていました。このような時期には、 $iFreeETF TOPIXダブルインバース(-2倍)指数 (1368.JP)$ のようなインバース型ETFや非上場投資信託のパフォーマンスには注意が必要です。

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チャート2 「iFreeETF TOPIXダブルインバース(-2倍)指数」の基準価格と純資産額

出典;大和アセットマネジメント株式会社 作成の月次報告書

ダブルインバースなどのレバレッジ型ETFは、レバレッジ倍率に比例してリスクが高い商品であり、初心者向けではありません。長期保有する場合、対象資産の値動きに対して基準価額が大幅に下落することがあるため、これらのリスクを十分に理解している方に適した商品です。

3. 単一の株式のレバレッジ型ETF

近年、米国では、単一銘柄の株式を原資産とするETFが認可されました。このタイプのETFは他のETFや非上場の投資信託と比べると、歴史が浅い商品です。皆様もご存じの通り、 $マイクロソフト (MSFT.US)$$エヌビディア (NVDA.US)$$テスラ (TSLA.US)$$アップル (AAPL.US)$ などの「マグニフィセント・セブン」は、株価が大きく上昇し続けていますが、時折、大きく下落することも珍しくありません。これらの知名度の高い株価を原資産とするレバレッジ型ETFが上場しています。

さて、1997年に設立された米国の有名なETF運用会社、Direxionがあります。同社はレバレッジ型およびインバースETF商品を提供する運用会社として広く知られています。この会社は、多くの単一株式を原資産とするレバレッジ型ETFを運用していますが、その中でも $アップル (AAPL.US)$ の株価に連動するレバレッジ型ETFについて解説します。

$Direxion デイリー AAPL 株 ブル2倍 ETF (AAPU.US)$ は、手数料および経費を除き、アップルの普通株式のパフォーマンス(値動き)の200%(アップルの株価と同じ方向で、値幅はほぼ2倍)を日次で目指すファンドです。アップルの株価が上昇している局面では、このETFの基準価格は短期間で大きく上昇すると期待されます。

一方、$Direxion デイリー AAPL株 ベア1倍 ETF (AAPD.US)$ は、手数料および経費を除いて、アップルの普通株式のパフォーマンス(値動き)の-100%(アップルの株価の変動と逆方向で、値幅はほぼ同等)を日次で追随するETFです。アップルの株価が下落している時には、このETFの基準価格は値上がりするように設計されています。

これらのファンドへの投資にはリスクが伴います。他の多くのETFや、指数に連動するレバレッジ型・インバース型ETFとは異なり、これらのレバレッジ型およびインバース型の単一株ETFは単一の株価を追跡します。そのため、他の多くのETFとは異なり、分散投資の効果はありません。

$Direxion デイリー AAPL 株 ブル2倍 ETF (AAPU.US)$ はレバレッジが掛かっているため、アップルの株価が上昇すれば、現物株を購入した場合に比べて、短期間で大きな利益が得られます。しかし、アップルの株価が下落すると、$Direxion デイリー AAPL 株 ブル2倍 ETF (AAPU.US)$ の基準価格は現物株価以上に大きく下落します。このような特性があるため、単一株式のレバレッジ型ETFはすべての投資家に適しているとは言えません。このようなETFは、レバレッジリスクを理解し、積極的に投資を管理できる投資家向けの商品です。

では、実際にアップルの現物株価、 $Direxion デイリー AAPL 株 ブル2倍 ETF (AAPU.US)$ 、そして $Direxion デイリー AAPL株 ベア1倍 ETF (AAPD.US)$ の基準価格を見てみましょう。

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チャート3  アップルの株価とETFの基準価格の比較

出典; チャートはDIREXION ホームページより引用し、追記加工

上のチャートでは、値動きをわかりやすくするため、チャートの左端(2024年5月6日時点)を基準の0%として設定しており、その時点からの増減を表示しています。また、チャート内の破線(同年7月16日)時点までの各々の価格の変化を調べ、それを表にまとめました。

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表1 アップルの株価とETFの比較

数値は、DIREXION ホームページより引用し、表は独自に作成

チャート3からおわかりの通り、2024年5月6日から7月16日までの原資産であるアップルの株価は、時折押し目をつけながらも上昇基調を維持し、29.2%も上昇しました。そのため、 $Direxion デイリー AAPL 株 ブル2倍 ETF (AAPU.US)$ の基準価格は62.10%も上昇し、アップルの株価上昇の2倍以上のパフォーマンスを示しました。なお、このように原資産が値上がりする局面では、 $Direxion デイリー AAPL株 ベア1倍 ETF (AAPD.US)$ は損失を出すことになります。

ここでもう一度チャート3をご覧ください。チャートの破線よりも右側、7月17日以降ではアップルの株価が一転して下落基調となっています。このような時期には、 $Direxion デイリー AAPL株 ベア1倍 ETF (AAPD.US)$ の基準価格が上昇し、利益が期待できる局面となります。

ご注意

  • 一般にETF、非上場の投資信託を含め投資商品は、元本が保証されておりません。従いまして、場合によっては元金を割り込む損失となってしまう場合があり得る事をご承知おきください。

  • チャート等で示した基準価格などの実績は過去のものであり、必ずしも将来の運用成果等を保証するものではございません。また、チャート、数表などはこの資料を作成した時点で入手したものであり、最新の内容ではない可能性があります。。投資の判断に際しましては、その時点最新の目論見書、契約締結前交付書面等をご確認ください。

    • 本情報は、信頼できると判断される情報に基づき、作成したものですが、その正確性、完全性を保証するものではありません。投資判断に当たっては、情報の確認をお願いします。

    これらの内容は、情報提供及び投資家教育のためのものであり、いかなる個別株や投資方法を推奨するものではありません。こちらの投資情報は説明目的の用途でのみ提供されており、すべての投資家にとって適切であるとは限りません。 詳細情報

    目次
    1. 指数レバレッジ型のETF
    2. 指数インバース型のETF
    3. 単一の株式のレバレッジ型ETF
    ご注意