日経CNBC米国株特別レポート2月
日経CNBC×moomoo証券「そうだったのか!米国株」限定レポート・2月分をお届けします。
本番組は、日経CNBCにて毎週月曜日16:30~放送(毎週金曜日12:10~再放送)しており、個人投資家さんやアナリスト、エコノミストの方々をお呼びし、米国株市場の動向や景気動向、投資術などをお伺いする番組です。
2月放送内容の振り返り
岡崎良介氏 テーマ『スローダウン』 2025年2月3日(第12回放送)
金融ストラテジストの岡崎良介氏は、直近の米国株式市場の動向を詳細に分析し、今後の市場の展望について解説しました。岡崎氏は、マーケットは「1時間おきに様々な要素を織り込んでいる」と指摘し、市場は常に動いており、一つの要因だけで全てが決定されるわけではないことを強調しました。
市場は当初、関税引き上げは米国をインフレに導き、「インフレ→金利上昇→株価下落」というシナリオを想定していたと言います。しかし実際には、米国の長期金利は下落、岡崎氏はこの現象のキーワードとして「スローダウン」を挙げています。その背景には「報復関税の影響」があると言い、例えば2018年、米国と中国の間で報復関税の応酬があった際、米国では第4四半期の業績が大幅に落ち込み、GDPもほとんど成長しませんでした。岡崎氏は、今回の関税引き上げも同様に貿易量を減少させ、経済の「スローダウン」を招く可能性があると分析しています。
今後のマーケットについて岡崎氏は、「DeepSeekショック」や関税政策など様々な要素が進行中であるため、「難しい局面」にあると述べました。単純な「押し目買い」ができる状況ではなく、慎重な見極めが必要なため、特に雇用統計と企業業績を注視し、投資判断していく必要があると語りました。

花子氏 テーマ『下落で売らないポートフォリオ』 2025年2月10日(第13回放送)
米国株投資家であり人気YouTuberの花子氏がゲストで登場。米国株投資の初心者に向けて、ポートフォリオ戦略や暴落時の心構えについて語りました。
花子氏は「初心者が陥りがちなワナ」として、暴落時にパニック売りをしてしまうことを指摘し、冷静さを保つために安定感のあるポートフォリオを構築することが重要性を伝えました。具体的には、ポートフォリオの70%をS&P500連動の投資信託などのインデックスファンドに割り当て、残りの30%で個別株に挑戦することを提案。ただし、アマゾン (AMZN), アルファベット(GOOGL)など継続的な成長を見込める銘柄を銘柄をオススメしています。
今後の米国株市場については、2023年から2年連続で上昇していることを踏まえ、そろそろ調整が入る可能性も視野に入れておくべきだと指摘しました。

中原圭介氏 テーマ『トランプ政策の不確実性』 2025年2月17日(第14回放送)
経済アナリストの中原氏は、米国株式市場の現状と今後の見通しについて、4つのポイントに分けて解説しました。
1つが「トランプ政策の不確実性」で、その代表格が関税政策であると指摘。各国に対する関税引上げの度合いによって、株価や経済に大きな影響を与える可能性があり、どこまで本気でやるかを⾒極める必要があると⾔います。
2つ目は「構造問題」で、2010年頃から始まっているベイビーブーマー世代の大量退職、これにより失業率が上がりづらくなっているため、雇用統計で景気を判断するときにはこういう背景も把握しておく必要があると述べました。
3つ目は「株価」です。統計的にS&P500の下降トレンドは1年ちょっとで終わる傾向があり、その後の上昇トレンドは平均5年ほど続くと分析。ただし現在の株価は、トレンドライン(下の支持線)と比較すると、割高に感じていると語りました。

中原圭介氏、注目の企業分野
番組内でも、今後のGAFAMについて語った中原氏。過去10年GAFAMが米国の株価を牽引してきたけれど、今後10年同じように上昇するためには、似たようなイノベーションを起こす企業が必要だと解説。しかし現在のベンチャー企業の経営者は、GAFAMに買収されるために企業を経営している傾向があると見ていて、新しいイノベーションを起こす企業が誕生しない限り、過去10年と同じように米国株市場が上昇するかどうかは懐疑的だと述べました。
そんな中、今のマーケットでのチャンスが内需株か外需株、あるいはテック株のどれにあるかと問われれば、内需株が底堅いと予想していると言います。その理由は、ディープシークの台頭(低コストAIモデルの出現)で投資家心理はかつてほどテック株に楽観的でない一方で、米国の消費は底堅く推移するとみているからです(※)。ただし、トランプ大統領の関税政策をやりすぎると、消費が失速するかもしれないというリスクは意識しておきたいとも述べました。
<moomoo証券による補足>
※たとえば、米国のGDPは2024年10〜12月期に2.3%増で7〜9月期の3.1%増から減速したものの、GDPの7割を占める個人消費は堅調でした。今回の決算発表シーズンではコラ・コーラ(KO)やマクドナルド(MCD)、ウォルマート(WMT)などの決算からも消費の堅調さを示唆されています。
主なマーケットイベント

<製作メモ>
金融ストラテジストの岡崎良介氏は、直近の米国株式市場の分析と行方について掘り下げました。
・マーケットは1時間おきにいろんなものを織り込んでいる
・最初に動いたのはカナダドル。アメリカはカナダから大量のものを輸入している。関税かけて、アメリカ国内のものに差し代わっていくと、赤字は縮小していく。だからドルが強くなった
・ドルとメキシコペソも同じ動き
・昨日までは25%の関税を引き上げたら、アメリカがインフレになるという話だった。アメリカがインフレになるならば、カナダドル、メキシコペソが暴落した時に、米国の長期金利が上がっていなくてはおかしい。しかし、アメリカの長期金利は下がった。
・インフレ→金利上昇→株価下落、というストーリーだと思っていたら、違う下がり方をしている。ではその理由は何か?そのキーワードが「スローダウン」。
・関税で貿易数量が減る。2018年にもアメリカと中国の報復関税の掛け合いがあった。その時のアメリカは、第四四半期の業績がすごく落ちて、GDPが成長しなかった。これを懸念して、下がったのではないかと分析しています。
・足元の雇用が良くて、AIの話題も尽きない中で、スローダウンするのか?
・失業率の上昇が2024年の8月から抑えられているのは、エッセンシャルワーカーの影響。セクターで言うと、プライベートエデュケーション&ヘルスケアセクター、が引っ張っているから。人口の数が増えれば、医療や介護の需要に合わせてこのセクターの雇用は必然的に増える。
・AIの信用は、DeepSeekショックによって崩れたように思える。AIの仕事は、高性能なAIが必要なものもあれば、低価格の性能が限られたものでも十分な仕事がある。最高級品のものを必要とする人はそんなに多くないと予想できる中で、今までのような「エヌビディアのものだけでなければいけない」という需要は、曲がり角に差し掛かっている印象。
・今後のアメリカ株市場は、AIや政策などいろんなことが進行中なので難しい局面。押し目買い、と言えるような環境ではない。例えば、AIのユーザーが元気そうなのであれば、少し様子を見ながらそういう銘柄を拾っていく必要がある。でも悪化まではいかない印象。雇用統計と企業業績を見て判断する必要がある
これらの内容は、情報提供及び投資家教育のためのものであり、いかなる個別株や投資方法を推奨するものではありません。こちらの投資情報は説明目的の用途でのみ提供されており、すべての投資家にとって適切であるとは限りません。 詳細情報
