2026年の上半期の投資戦略

06/18 10:31

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2026年の上半期の投資戦略

バフェット太郎です。

ぼくは近い将来、AIバブルが崩壊すると予想しています。そのため、2026年は一年を通して「円」が有望な投資対象になると予想します。つまり、2026年上半期の投資戦略をひと言で言い表せば「キャッシュ・イズ・キング(現金は王様)」ということになります。

これは、景気後退とともにAIバブルが終焉し、株式市場は一年以上かけて下がり続けると予想するからです。そして、その後に始まる景気拡大局面で、欧州株やグローバルサウス、金鉱株などがブームになると思います。

いまは紛れもなくAIバブル

いまの株式市場は紛れもなくAIバブルであり、そのバブル相場は最終局面を迎えているように思います。実際、シラーPERは40.6倍と、ドットコムバブルの44.2倍以来の高水準を記録しているほか、AIバブルの中心にいるオープンAIのサム・アルトマンCEOやハイパースケーラーの一角であるアマゾン・ドット・コム(AMZN)の創業者ジェフ・ベゾス氏が口々に「バブルだ」と述べています。

さらに、JPモルガン・チェース(JPM)のジェイミー・ダイモンCEOも「バブルの領域にある」としたほか、ゴールドマン・サックス(GS)のデビッド・ソロモンCEOも「投資家の熱狂がかなり広がっていることは間違いない」とし、過熱感が見られると警告しました。

バブルはなぜ止まらない?

ドットコムバブルだった90年代後半、経済学者のチャールズ・キンドルバーガー教授は「友人が金持ちになるのを見るほど、人の判断を狂わせるものはない」として、FOMOがバブルの原因のひとつになっていると指摘しました。

FOMOとは、Fear of Missing Out(=取り残されることへの恐怖)のことで、みんなが儲かっていることに焦り、冷静な判断ができずに高値掴みしてしまう投資家心理を表しています。

また、当時はヘッジファンドなどの機関投資家も「危ない」とわかっていても、株を積極的に買い向かっていました。これは、運用成績が市場平均から劣後してしまうと、クビになってしまうリスクが高くなるため、不合理な投資判断によってバブル相場に乗り、最終的にみんなと一緒に大損した方がむしろ安全で合理的だと考えられたためです。

そのため、今回も個人投資家のFOMOと機関投資家の不合理だけど合理的な判断によって、バブル相場は一層過熱する公算が大きいです。

バブルはいつ弾ける?

永遠に続くバブルなどないことを考えれば、バブルはいつか弾けて、泡となって消えます。別の言い方をすれば、過去数年分の上昇をすべて吐き出すようにして、株式市場は暴落すると考えられるということです。

では、いつ弾けるのか?と言うと、それは景気後退とともに弾けます。なぜなら、景気後退入りしてもなお株高が続いたケースなどないからです。そして、戦後12回の景気後退局面を振り返ると、労働市場の悪化とともに景気後退入りしていたため、労働市場を観察することで景気後退とバブル崩壊のタイミングを予測することができるかもしれません。

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(データ出所:FREDより筆者作成)

たとえば、雇用統計における非農業部門雇用者数の過去3ヶ月平均の推移を眺めると、8月は2.9万人増と、失業率の安定維持に必要とされる3万~8万人増を2カ月連続で下回るなど、労働市場の減速が鮮明になっています。

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(米失業率 出典:FRED)

また、1948年以降の失業率の推移を振り返ると、失業率は一度上がり始めると、その後急上昇して景気後退入りする傾向があることがわかります。そのため、直近の失業率が6月4.1%、7月4.2%、8月4.3%と徐々に上がり始めているということは、今後、急上昇して景気後退入りする可能性が高いと言えます。

そして、株式市場は景気後退入りするよりも先に天井を付ける傾向があるため、AIバブルが崩壊するのも近いと言えるのです。

ただし、「過去に起こらなかったことは、これからも起こらない」とは言えないことを考えると、失業率が急上昇してもバブル相場が続く可能性もあります。しかし、それは過去のデータから見てもわかる通り、「前代未聞の稀なシナリオに賭けをしている」ことだけは認識する必要があります。

いくら下がり、いつ底打ちする?

AIバブルが崩壊すれば、株式市場はいくら下がり、いつ底打ちするのか?というと、高値から30%以上下落し、底打ちは天井を付けてからおよそ15カ月後を予想します。

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(データ出所:Stock Chart.comより筆者作成)

たとえば、戦後80年を振り返ると、景気後退は12回訪れ、その度にS&P500は急落しました。たとえば、ニフティ・フィフティ(素晴らしき50銘柄)ブームが終焉した1973年の最大下落率は50%、ドットコムバブルが崩壊した2001年は51%、金融危機だった2008年は58%、過去12回の平均最大下落率は32%でした。

ただし、弱気相場入りの目安となる20%安に届かなかったケースも3度あるため、景気後退入りしたからと言って必ず暴落するわけではありません。しかし、足元の株式市場がAIバブルに沸いていることを踏まえると、これから訪れる可能性のある下落相場は、下げ幅が平均並みかそれ以上になると思います。

また、後述しますが、FRBの大幅利下げによって日米金利差が縮小すれば、為替はドル安円高に振れるため、円建てのパフォーマンスは予想以上に悪くなる可能性があります。そのため、ぼくはドル建ての最大下落率が30~40%、円建ての最大下落率は40~50%を予想します。

そして、過去12回の景気後退を伴う下落相場を振り返ると、天井を付けてから底打ちするまでの期間は平均15カ月でした。そのため、仮に2025年10月~12月を起点に景気後退を伴う下落相場が始まった場合、2027年1月~3月頃が底打ちのタイミングとして予想されます。

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(データ出所:Stock Chart.comより筆者作成)

ただし、米国株の大きな下落相場は3月か10月に底打ちする傾向があります。実際、コロナ危機は2020年3月に、金融危機は2009年3月に、ドットコムブームは2002年10月と2003年3月にダブルボトムを形成し、ブラックマンデーは1987年10月、ニフティ・フィフティブームは1974年10月にそれぞれ底打ちしました。

そのため、仮に2025年10~12月頃を起点に下落相場が始まった場合、2027年3月に底打ちすると予想します。

大統領サイクル

2026年は大統領サイクルの4年間で最もパフォーマンスが悪くなりやすい「中間選挙の年」であることにも注意を払う必要があります。

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(データ出所:Stock Chart.comより筆者作成)

たとえば、1950年~2024年末までの75年間を振り返ると、S&P500の年間平均騰落率は「選挙の翌年」が+7.9%、「中間選挙の年」は+4.6%、「選挙の前年」は+17.2%、「選挙の年」は+8.1%でした。

これは、現職の大統領が再選を勝ち取るために、景気の追い風となる景気刺激策を任期の後半に行う一方、痛みを伴う取り組みは前半に行う傾向があるからです。つまり、政治による景気のあからさまな操作によって、「中間選挙の年」の株式市場は軟調な展開になりやすいのです。

ちなみに、一年を通して株高になる確率は「選挙の翌年」が61%、「中間選挙の年」は58%、「選挙の前年」は89%、「選挙の年」は84%でした。

このように、労働市場の減速を背景に景気後退が迫っていること、それに伴いAIバブルも終わること、さらに来年が「中間選挙の年」であることを踏まえると、2026年上半期の投資戦略は相場の格言に「休むも相場」とあるように、「現金比率を高めて底打ちするのをじっくり待つ」というのが最も賢明だと思います。

ちなみに、ぼくの場合、ポートフォリオに占める現金の割合はおよそ50%です。

米国株を買うな

2027年3月に景気後退を伴う下落相場の底打ちが予想されるほか、その年が大統領サイクルの4年間で最もパフォーマンスが強い「選挙の前年」であることから、そのタイミングこそが「米国株を買い増す絶好のチャンスになるのでは?」と思う人もいるかもしれません。

しかし、ぼくは次の景気拡大局面では、欧州株やグローバルサウス、金鉱株などに分散投資した方が、はるかに高いパフォーマンスが期待できると予想しています。これは歴史を振り返ると、世界的にブームになった投資対象は、次の景気拡大局面で長期停滞局面を迎える傾向があるからです。

<時代とブーム>

1950年代:日本株とドイツ株(戦後復興)
1960年代:米国株(ニフティフィフティ・ブーム)
1970年代:金
1980年代:日本株(バブル景気)
1990年代:米国株(ドットコム・ブーム)
2000年代:新興国株(BRICsブーム)
2010年代:米国株(マグニフィセント・セブン)
2020年代:米国株(AIブーム)

上記の投資ブームはすべて米国の景気後退とともに終焉し、その後10年以上の長期停滞局面を迎えました。そして、歴史が韻を踏むなら、次の景気後退を境に米国株は長期停滞局面を迎える公算が大きいです。

ちなみに、2020年代はすでに半分が過ぎているにも関わらず、米国株ブームが続いているのは、コロナ禍に伴う政府の財政出動やFRBの金融緩和を背景に、株式市場にブーストがかかっているからです。これは、人工的に作られた強気相場であることから、副作用(その後の停滞局面も)も大きくなると思います。

なぜ、ドルではなく円なのか?

AIバブルの崩壊に備えて現金を持つ場合、なぜ、ドルではなく円なのか?というと、それは円が過小評価されており、今後は急激な円高に振れる可能性があるからです。

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(データ出所:Stock Chart.com)

たとえば、2021年以降のドル円相場と日米金利差(黒線)の推移を眺めると、おおむね相関関係にある一方で、最近になって乖離が目立っていることがわかります。(日米金利差とは米10年債利回りを日本の10年債利回りで引いて求めた値のことです。)

そもそも、世界の投資マネーは相対的に金利の低い所から高い所へと流れる傾向があるため、為替相場は二国間の金利差に大きく影響を受けます。

そして、これからFRBが景気後退を背景に利下げサイクルを本格化させる可能性が高い一方、日銀の利下げ余地がほとんど残されておらず、むしろ利上げを迫られる可能性が高いことを考えると、日米金利差は一段と縮小する公算が大きいです。

つまり、為替はドル安円高に振れると考えられるわけです。

ちなみに、足元でドル円相場と日米金利差の乖離が目立っているのは、高市総裁が「(金融政策に関する)方向性を決める責任は政府にある」として、日銀の金融政策に介入する姿勢を示したほか、「責任ある積極財政」を掲げたことで、日本円に対する信用が脅かされているためです。

しかし、円安はインフレの高止まりによって低所得層の生活を脅かすため、高市総裁はいずれも慎重姿勢に転じると思います。

国際分散投資の時代に輝く銘柄

次の投資ブームは「国際分散投資」がテーマとなり、欧州株やグローバルサウス、金が注目されると予想します。これは、米中対立が一層激化し、ドル離れも加速すると考えられるからです。

たとえば、世界の製造拠点が中国に一極集中したことで、コロナ禍でサプライチェーンが乱れ、世界中でインフレ率が急上昇しました。そのため、世界は最終消費地に近い国や地域に製造拠点を置く「ニア・ショアリング」を進めており、アジアならインドやベトナム、ラテンアメリカならメキシコ、欧州ならポーランドやトルコが注目されています。

また、ウクライナ戦争をきっかけに、ドイツが1兆ユーロの巨大な財政出動に舵を切ったことで、ドイツをはじめとした周辺国(ポーランドなど)が好景気に沸くと予想されます。

さらに、米国がロシアを国際的な送金インフラであるSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除し、ドルを貿易決済に利用できなくするなど、「金融版核兵器」とも言われる強力な経済制裁を科したことで、ドル離れが加速しています。これをきっかけに、ロシアだけでなく、中露と貿易関係にある多くの新興国が外貨準備として金を保有するようになりました。

こうしたことから、次の景気拡大局面では、欧州株やグローバルサウス、金鉱株が注目されると予想します。具体的には以下のような銘柄を想定しています。

<欧州株>
iシェアーズ・MSCI・ドイツETF(EWG)
iシェアーズ・MSCI・ポーランドETF(EPOL)
iシェアーズ・MSCI・トルコETF(TUR)
ドイチェバンク(DB:ドイツ)
キーウスター(KYIV:ウクライナ)

<グローバルサウス>
ウィズダムツリー・インド株・収益ファンド(EPI)
ヴァンエック・インドグロースリーダーズETF(GLIN)
ヴァンエック・ベトナムETF(VNM)
iシェアーズ・MSCI・メキシコETF(EWW)
HDB銀行(HDB:インド)
ICICI銀行(IBN:インド)
グルポ・フィナンシエロ・ガリシア(GGAL:アルゼンチン)
バンコ・デ・チリ(BCH:チリ)
グルポ・シーベスト(CIB:コロンビア)
クレディコープ(BAP:ペルー)
ビオン(VEON:UAE)
Kaspi KZ JSC(KSPI:カザフスタン)

<金鉱株>
ヴァンエック・ベクトル・金鉱株ETF(GDX)
ゴールドフィールズ(GFI:南ア)
ハーモニー・ゴールド(HMY:南ア)

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グッドラック。

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