レバレッジETFは長期投資に不向き?「減価」リスクを理解する

05/20 00:09

レバレッジETFは、短期で効率的なリターンを狙う投資家にとって魅力的な投資商品です。レバレッジの効果で相場上昇時は大きなリターンを狙える半面、特有のリスクも伴います。レバレッジETFのリスクを理解し、取引する際には適切な出口戦略を立てることが重要です。

レバレッジETF特有のリスクの1つは、「減価」と呼ばれるものです。これは、レバレッジETFのパフォーマンスが、時間とともに対象となる資産のパフォーマンスからずれていく現象です。

なぜそのような現象が起こるのでしょうか?本記事では、レバレッジETFにおける「減価」とは何か、そういった事象が起こる仕組みについて、具体例を挙げて解説します。

レバレッジETFはなぜ減価するのか?

レバレッジETFは、対象となる資産の1日のリターンを倍増させるように設計されています。たとえば、2倍のレバレッジETFは、対象となる資産と連動し1日のパフォーマンスを2倍にします。理論上は、対象資産がその日に1%上昇すれば、計算上は2倍のレバレッジETFは2%上昇します。資産が3.5%上昇すれば、2倍のレバレッジETFは7%上昇します。

この逆もまた然りです。対象となる資産が1日で2%下落すれば、計算上は2倍のレバレッジETFは4%下落するはずです。

しかし現実には、レバレッジETFの値動きは、このような理論通りの値動きと一致しない場合があります。

レバレッジETFのリターンが日々の値動きを基に複利計算されているためです。毎日の終わりにレバレッジETFはリセットされ、基礎資産の評価額に合わせてリバランス(再調整)されます。そのため、対象の資産が上下を繰り返す場合(ボラティリティが高い場合)、長期的には累積パフォーマンスが対象資産の単純な倍数から乖離する可能性があります。この現象を「減価」と呼びます。

対象資産が大きく変動した場合、レバレッジETFの評価額はそれ以上に著しく変動します。例えば、対象資産が急落した次の日に対象資産が回復しても、レバレッジETFの回復度合いが対象資産よりも小さくなることがあります。ボラティリティが高い相場では、この減価効果が投資成績に大きな影響を及ぼします。

レンジ相場では特に注意が必要です。対象資産が一定の範囲内で上下を繰り返すレンジ相場では、日次リターンのリセットにより累積リターンが減少しやすくなります。この「ボラティリティドラッグ」により、対象資産が最終的に元の価格に戻ったとしても、レバレッジETFの価格は元に戻らないことがあります。このため、レンジ相場では対象資産よりも著しく低いパフォーマンスとなる可能性が高まります。

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ボラティリティドラッグとは、資産の価格が上下に大きく変動(ボラティリティが高い)する場合に、長期的なリターンが期待よりも低くなる現象のこと。

減価の例

GraniteShares 2x Long AAPL Daily ETFを例に挙げて説明します(ティッカー:AAPB) $GraniteShares 2x Long AAPL Daily ETF (AAPB.US)$ 。このETFはAppleの株価変動の2倍のパフォーマンスを目指して運用されており、日ごとのリターンや損失を2倍にします。

ただし、累積パフォーマンスについては注意が必要です。Apple株が2週間で5%上昇したとしても、AAPBが10%の累積リターンを記録するとは限りません。この差が発生する主な理由は「減価」が起きるためです。

例えば、2週間の間に以下のような状況が発生したと仮定します:

基準日:Apple株=100ドル、AAPB=100ドル

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このように、レバレッジETFの価格は日々リセットされ、対象資産が上下を繰り返すと累積リターンが対象資産の単純な2倍から乖離します。ボラティリティが高い場合、この乖離が特に顕著になります。

AAPBのようなレバレッジETFは、短期的な値動きを捉えるために設計されていますが、長期的には減価やETFを保有している際にかかる経費により対象資産の単純な2倍のリターンを得ることは難しい場合があります。投資家はこの仕組みを十分に理解し、適切な投資計画を立てる必要があります。

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レバレッジETFの長期保有

一般的に、減価しやすい特性を持ったレバレッジETFは長期保有に向かないとされています。1年間保有した場合に発生する減価は、1週間保有した場合よりもはるかに大きくなるためです。そして、どのレバレッジETFにどれほどの減価が発生するかについては、市場の動向に左右されるため予測が困難です。結果的にほとんどのレバレッジETFは短期的なトレードを目的に売買されることが多いといえます。

以上の理由から、レバレッジETFに投資する前に、明確なエントリーとエグジットの目標を設定することが重要です。ポジションの監視も怠らないようにしましょう。特に変動の激しい個別株や指標にレバレッジをかけたETFでは、状況が急速に変化することがあります。自身が購入したETFの値動きを注意深く監視し、それに応じて行動するのが最善です。

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※当記事はグラナイトシェアーズ提供記事を元に再編集・再構成しました。

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レバレッジETFはなぜ減価するのか?
レバレッジETFの長期保有