オプションを選ぶための「5つのポイント」

05/20 03:50

オプション取引を始める際、多くの投資家が直面するのが「どのオプションを選べばよいか」という悩みです。

1.まずは「目的」を明確にする──利益獲得か、リスクヘッジか

オプション取引において最初に考えるべきは、どのような目的で取引を行うのかという点です。

■利益獲得を目的とする場合

短期的な利益を狙う場合は、株価の大きな値動きを見込んで、コールオプションやプットオプションを「買う」戦略を主軸とするのが一般的です。

特に決算発表やイベントを控えた銘柄など、ボラティリティが高まると想定される局面では、価格変動の恩恵を狙う戦略が有効です。

▶️【上昇を見込むなら】コールオプションの買い戦略

▶️【下落を見込むなら】プットオプションの買い戦略

■リスクヘッジを目的とする場合

リスクヘッジを目的とする場合には、保有する現物株の下落に備えて、プットオプションをし「保険」をかけておく戦略が効果的です。

▶️プロテクティブ・プット:保有資産に対する「保険」として有効なオプション戦略

短期の利益獲得目的とヘッジ目的とでは、選ぶべきオプションのタイプ(コール/プット、買い/売り)が異なります。

取引の一貫性を保つためにも事前に目的を明確にしておくことが重要です。

2.満期日(限月)は、戦略とタイミングに合わせて選ぶ

オプションには「有効期限(満期)」があります。この期限は戦略の性質や投資の想定期間に大きく影響します。

■短期(1週間〜1ヶ月程度)

短期のオプションは、タイミング勝負の取引に適しています。

ただし、時間的価値(セータ)の減少が急速であるため、想定通りに株価が動かなければすぐに価値が下がってしまう特性があります。

■中長期(2〜6ヶ月以上)

ポジションに余裕を持って構えられ、さまざまな相場シナリオに対応しやすくなります。

例えば、企業業績の回復や産業構造の変化といった中期的なテーマを見据えた戦略に向いています。FOMCなどの政策イベントに対しては、内容次第で短期・中期の両面で対応が可能です。

■長期(1年以上〜)

長期視点で対象銘柄の成長を見込む一方、現物株に多額の資金を投じたくない場合、LEAPS(長期コールの買い)を活用する戦略が有効となることがあります。

具体的には、エヌビディアやテスラなど将来的な成長が期待される銘柄に対して、1年以上先の満期を持つLEAPSを用いて長期の値上がりを狙う方法が選択肢の一つとなります。

LEAPS(リープス)とは、Long Term Equity Anticipation Securityの略称で、1年以上の満期を持つ長期オプションを指します。

想定している相場の動きが「いつ頃」起きるかを明確にすることが、満期日を選ぶ際の重要な判断材料となります。

【アプリでの確認方法】

オプションチェーンの画面に、満期日別にオプションが一覧表示されています。

■Wマークが付いてるタブはウィークリーオプション(満期日は毎週金曜日)

■Wマークがないタブはマンスリーオプション(満期日は該当月の第3金曜日)

黒い矢印で示されているのが原資産の現値であり、現値と一致(または最も近い)するのが、ATM(アット・ザ・マネー)です。上はITM(イン・ザ・マネー)、下はOTM(アウト・オブ・ザ・マネー)です。

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3.権利行使価格は、相場観を反映して選ぶ

オプション取引の損益構造は、原資産価格と権利行使価格の関係によって大きく左右されます。そのため自身の相場観を踏まえて、適切な行使価格を選ぶことが重要です。

■強気の見通しの場合

行使価格>原資産価格の、OTM(アウト・オブ・ザ・マネー)のコールオプションを選ぶことで支払いプレミアムを抑えつつ(※1)、株価上昇時にリターンを狙えます。

■弱気の見通しの場合

OTM(アウト・オブ・ザ・マネー)のプットオプションを選ぶことで支払いプレミアムを抑えつつ(※1)、株価下落時にリターンを狙えます。

(※1)OTMである限り、コールでもプットでも本質的価値はゼロであり、時間的価値のみだから、プレミアムが安い傾向。

■横ばいと想定する場合

ATM(アット・ザ・マネー)オプションの買いは、価格がどちらかに大きく動くと想定される場合に有効ですが、相場が横ばいのまま推移した場合は、時間的価値の減少により損失となる可能性が高まります。方向感に欠ける局面では、ストラドルやストラングルなどのスプレッド戦略(コールとプットを同時に買う戦略)も検討できます。

権利行使価格によって、プレミアムの大小や損益の分岐点が大きく変わります。相場観とその確信度に応じて、最適な水準を見極めましょう。

専門用語について学ぶ>>米国株オプション取引に関する用語を学ぼう

OTM/ATM/ITM別:オプション価格・デルタ・ガンマの関係

(コールの場合)

状態

オプション価格

デルタ(Δ)

ガンマ(Γ)

ITM(行使価格<原資産価格)

高い

大きい

(0.6〜1.0)

小さい

ATM(行使価格 ≒原資産価格 )

中程度

約0.5

最大

OTM(行使価格>原資産価格)

安い

小さい

(0〜0.4)

小さい〜中程度

4.IV(インプライド・ボラティリティ)を必ず確認する

IV(インプライド・ボラティリティ)は、プレミアム(オプション価格)に内包された将来の価格変動の予想を表す数値で、プレミアムの割高・割安を判断するための重要な指標です。

■IVが高い場合

プレミアムが割高であるとされ、プレミアムを受け取る「売り」戦略が有利です。

また、決算発表直前などはIVが上昇しやすく、その後急低下(IVクラッシュ)する可能性があるため注意が必要です。

■IVが低い場合

プレミアムが割安であるとされ、プレミアムを支払う「買い」戦略が有利です。

サプライズもありえるが折り込まれていない静かな局面での、IVを抑えた仕込みも有効です。

  • 原資産価格の上昇(コールの場合)/下落(プットの場合)

  • IVの上昇によるプレミアムの値上がり

サプライズ発生でこの両方が「買い」戦略にとってプラスになるため効果的と言えます。

IVは「相場の期待感」を数値化したものとも言え、取引前、特にイベント前後には必ず確認しておく必要があります。

表示手順:銘柄>「オプション」タブ> オプション分析> ボラティリティ分析

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くわしく学ぶ>>ボラティリティ分析機能(リリースする予定)

5.ギリシャ指標(Greeks)で価格変動に対する感応度を数値で把握する

オプション取引では、「ギリシャ指標」と呼ばれる複数の数値指標を活用し、価格変動やリスク要因に対する感応度を定量的に把握できます。これら指標は、オプション価格がどのような要因で、どの程度動くのかを理解するうえで重要です。

  • デルタ(Δ):原資産価格の変動に対するオプション価格の感応度

  • ガンマ(Γ):デルタの変化率を表す指標(原資産価格が動いたとき、デルタがどれだけ変化するか)

  • セータ(Θ):時間の経過によるオプション価値の減少(時間的価値の減衰)

  • ベガ(ν):ボラティリティの変動に対する感応度

  • ロー(ρ):金利の変動に対する感応度

例えば、行使価格200ドル、満期日が2025年7月25日のアップル(AAPL)のコールオプション(ティッカー表記:AAPL 250725 200.00C)において、デルタ=0.54である場合、アップルの株価が1ドル上昇すると、このオプション理論価格も約0.54ドル上昇することを意味します。

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オプション取引初心者の方でも、「デルタ=方向性に対する損益の変化」、「セータ=時間に対する損益の変化」の2つから理解を深めると、取引の精度を高めやすくなります。

くわしく学ぶ>>ギリシャ指標の意味と役割

まとめ

オプションを選ぶ際には、

  • 取引の目的

  • 満期日とタイミング

  • 相場観に基づく権利行使価格の選定

  • インプライド・ボラティリティの確認

  • ギリシャ指標によるリスク把握

「5つのポイント」に基づいた複数の視点を組み合わせた戦略の設計が、適切な意思決定につながります。

これらの内容は、情報提供及び投資家教育のためのものであり、いかなる個別株や投資方法を推奨するものではありません。こちらの投資情報は説明目的の用途でのみ提供されており、すべての投資家にとって適切であるとは限りません。 詳細情報

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