プロテクティブ・プット:保有資産に対する「保険」として有効なオプション戦略

06/18 17:24

「株は売りたくない。でも、急落が心配。」

そんなときに活用されるのがプロテクティブ・プット戦略です。今回は、この戦略の仕組みについて、学んでいきましょう。

プロテクティブ・プットとは?

プロテクティブ・プット(Protective Put)は、保有している株式に対してプットオプションを購入し、株価下落リスクに備える戦略です。

不確実性の高い局面や、重要な経済指標・企業決算などを控えたタイミングで、現物株を保有しながらリスク管理を行いたい場合に有効です。

戦略の仕組み

プロテクティブ・プット戦略は、以下の2つのポジションから構成されます。

  1. 株式の保有(例:りんご社株100株)

  2. 同一銘柄・同数量のプットオプションの購入(1枚=100株分)

プットオプションの購入で、満期日までにあらかじめ設定された価格で株式を売却できる「権利」を購入します。株価が大きく下落した場合でも、権利行使価格での売却が可能となり、損失が限定されます。

例で確認してみましょう

投資家Mさんは、りんご社の成長性に期待して100株を100ドルで購入しました。中長期での保有を前提としつつも、短期的な下落に備えるため、プロテクティブ・プット戦略(=保有株に対するプットオプションの購入)を実行することにしました。

取引内容の詳細:

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Mさんは、1か月後に満期を迎える権利行使価格95ドルのプットオプションを、プレミアム2ドルで※1枚(100株分)購入しました。

支払プレミアム(支払額)の計算式:2ドル(プレミアム) × 100株(1枚の単位)= 200ドル

この金額は「保険料のようなもの」であり、株価が下落しなかった場合には失われますが、大きく下落した場合には「95ドルで売る権利」によって損失を一定範囲に抑える効果があります。

※(オプションは1枚単位=100株分)

満期時のシナリオ別の結果

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株価がどれだけ下落しても、95ドルで売れる権利を持っているため、損失は「株価下落幅 + 支払プレミアム」に限定されます。プロテクティブ・プット戦略は「株価が大きく下落したときの最大損失をあらかじめ限定できる」のです。

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途中決済も可能

満期を待たずに途中でオプションを手じまいする(決済)ことも可能です。この場合の利益は「決済時のプレミアム」と「エントリー時の支払プレミアム」の差額で確定します。

途中決済時の利益=(決済時のプレミアム ー エントリー時のプレミアム)× 枚数 × 100株

※オプション単体の利益であり、保有している現物株の損益は別計算となります。

株価が大きく下落した場合、プットの価値(プレミアム)は上昇するため、プロテクティブプット戦略における途中決済は、「保険としてのプットを使い切らず、プレミアムの価値が高い状態で決済する」戦略的な選択といえます。

注文手順:

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※ここで重要なのは現物株を保有しているかどうかによって、取引ボタン右側での選択が異なる点です。

すでに現物株を枚数ぶん保有している銘柄で取引する場合「オプション」を選択します。 現物株を保有せず、現物株の買付とオプションを同時に発注する場合「株+オプション」を選択します。

プロテクティブ・プットのメリットと留意点

メリット

  • プットオプションの購入により、権利行使価格で売却する権利が得られるため、株価がどれだけ下がっても損失は限定されます。

  • 保有株を手放さずにリスク管理が可能です。

  • 相場が不安定な局面でも精神的な安定が得られます。

留意点

  • 市場のボラティリティが高い場合、プレミアムが高くなる傾向があります。

  • プットの購入にはプレミアムを支払う必要があります(保険料)。

  • 株価が下落しなければ、基本的にそのプットオプションは行使されずに満期を迎え、プレミアム(支払ったオプション料)は全損することになります。

こうした場面で活用を検討できます

  • 決算発表や政策金利の発表など、相場変動の要因となるイベントを控えているとき

  • 相場の急落リスクに備えたい局面

特に以下のような方に向いています:

  • 保有株を持ち続けたいが、一時的な株価下落に備えておきたい方

  • 長期保有株の評価損を一定範囲に抑えたいと考える方

  • 明確な損失の上限を定めたうえで、資産運用を続けたい方

プット買いとプロテクティブ・プットの違い

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ほかのオプション戦略を学ぶ:

【上昇を見込むなら】コールオプションの買い戦略

【下落を見込むなら】プットオプションの買い戦略

カバード・コール:保有株を活用してプレミアムを得るためのオプション戦略

ターゲット・バイ:希望価格での買付とプレミアム収入を両立するオプション戦略

プレミアムについてもっと知る:

オプション取引とプレミアムの基本ルール

これらの内容は、情報提供及び投資家教育のためのものであり、いかなる個別株や投資方法を推奨するものではありません。こちらの投資情報は説明目的の用途でのみ提供されており、すべての投資家にとって適切であるとは限りません。 詳細情報

目次
プロテクティブ・プットとは?
戦略の仕組み
例で確認してみましょう
満期時のシナリオ別の結果
途中決済も可能
注文手順:
プット買いとプロテクティブ・プットの違い
ほかのオプション戦略を学ぶ:
プレミアムについてもっと知る: