カバード・コール:保有株を活用してプレミアムを得るためのオプション戦略
「株は売りたくない。でも、収益チャンスは欲しい。」
そんなときに活用されるのが、カバード・コール戦略です。今回は、この戦略の仕組みについて、学んでいきましょう。
カバード・コールとは?
カバード・コール(Covered Call)は、保有している株式に対してコールオプションを売却し、プレミアムを収益として受け取る戦略です。
株価が横ばい~大きな上昇を見込んでいない局面で、現物株を保有しながら追加の収益(プレミアム収入)を得る手段として有効とされ、個人・機関投資家を問わず広く使われています。
戦略の仕組み
カバード・コール戦略は、以下の2つのポジションで構成されます。
現物株の保有(例:りんご社株100株)
同一銘柄・同数量のコールオプションの売却(1枚=100株分)
コールオプションの売却で、あらかじめ設定した権利行使価格で株式を売却する義務を負う代わりに、オプションの売却時にプレミアムを受け取れます。
例で確認してみましょう
りんご社は堅調な業績を維持している上場企業です。投資家Mさんは同社の将来的な成長性に期待し、100ドルで100株を購入し長期保有を決めています。
ただし、短期的には市場全体の影響を受けて、株価が一定期間横ばいで推移すると考えています。
Mさんは、株式を保有し続けている間に、株価があまり動かないことによって得られるチャンスが限られる点に注目し、保有資産を有効活用するために、カバード・コール戦略(=保有株に対するコールオプションの売却)を実行することにしました。
取引内容の詳細:
Mさんは、1か月後に満期を迎える権利行使価格105ドルのコールオプションを、プレミアム3ドルで※1枚(100株分)売却しました。
受取プレミアム(受取額)の計算式:3ドル(プレミアム) × 100株(1枚の単位)= 300ドル
このオプションの売却時に、300ドルのプレミアムを受け取りました。
※(オプションは1枚単位=100株分)
満期時のシナリオ別の結果
カバードコール戦略の理想的なシナリオは、株価が権利行使価格に近づきすぎず、かといって大きく下がりすぎない状態で、満期を迎えることです。
この場合、オプションは権利行使されずに失効し、保有株をそのまま維持できるうえ、受け取ったプレミアムがそのまま利益として確定します。

途中決済も可能
満期を待たずに途中でオプションを手じまいする(決済)ことも可能です。この場合、最終的な利益は「エントリー時のプレミアム」と「決済時のプレミアム」との差額で確定します。
途中決済時の最終利益=(エントリー時のプレミアム - 決済時のプレミアム)× 枚数 × 100株
ただし、途中で手じまいすると現物株は手元に残りますが、利益はコール売却時(エントリー時)に受け取ったプレミアムを超えることは基本的にありません。
カバードコールでは「株は売らずに、プレミアムは全額いただく」のが理想のシナリオです。途中売却はあくまで相場次第の次善策であることを覚えておきましょう。
※満期まで保有すればプレミアムは全額得られます。
注文手順:

※ここで重要なのは現物株を保有しているかどうかによって、取引ボタン右側での選択が異なる点です。
すでに現物株を枚数ぶん保有している銘柄で取引する場合「オプション」を選択します。現物株を保有せず、現物株の買付とオプションを同時に発注する場合「株+オプション」を選択します。
カバード・コールのメリットと留意点
メリット
戦略が理想的に展開した場合、プレミアムを受け取りながら現物株を引き続き保有できます。満期後も株価の上昇による利益獲得のチャンスが残されることになります。
繰り返し実行しやすく、継続的なプレミアム収入を積み上げやすいと言えます(例:毎月実行も可能)。
留意点
オプションが行使されずに満期を迎えた場合も途中決済した場合も、最終的な損益は「現物の保有株の含み損益」と「プレミアム(オプション)の損益」を合算して考える必要があります。
株価が権利行使価格を超えて満期を迎えた場合、オプションは行使され、保有株はその価格で売却する義務が生じます。満期後に株価が上昇したとしても、上昇分の利益を得ることはできません。
オプション売却時に受け取ったプレミアムは、株価下落による損失の一部をカバーしますが、株式自体の値下がり幅が大きければ、トータルで損失となる可能性もあります。
こうした場面で活用を検討できます
株価が横ばいまたは緩やかな上昇にとどまりそうなとき
大きな値上がりは見込んでいないが、保有株から追加の収益(プレミアム収入)を得たいとき
特に以下のような方に向いています
高配当株やインデックスETFを長期保有している方
「○○ドル以上なら売ってもよい」と明確な売却基準がある方
カバード・コールは、現物株を「保有しているだけ」の投資に収益性を加える戦略です。戦略の特性を理解し、相場環境を踏まえながら活用をご検討ください。
ほかのオプション戦略を学ぶ:
プロテクティブ・プット:保有資産に対する「保険」として有効なオプション戦略
ターゲット・バイ:希望価格での買付とプレミアム収入を両立するオプション戦略
プレミアムについてもっと知る:
これらの内容は、情報提供及び投資家教育のためのものであり、いかなる個別株や投資方法を推奨するものではありません。こちらの投資情報は説明目的の用途でのみ提供されており、すべての投資家にとって適切であるとは限りません。 詳細情報
