米国株オプション取引とは?メリットと注意点をやさしく解説
米国株オプション取引とは?メリットと注意点をやさしく解説
株式投資を始めてしばらくすると、「オプション取引」という言葉を耳にする機会が増えてきます。
特に米国のオプション市場では、取扱銘柄の豊富さや高い流動性を背景に、個人を含む多くの投資家が参加しています。
そこで今回は、「オプション取引とは何か」「どんなメリットと注意点があるのか」について、わかりやすく解説します。
そもそも「オプション取引」とは?
オプション取引とは、特定の原資産を、あらかじめ決められた価格で、一定期間内に売買する「権利」を取引するものです。
米国市場では、個別株やETF、指数などを対象とした株式オプション取引があり、「買う権利(コールオプション)」と「売る権利(プットオプション)」の2種類が存在します。
これらの権利を「買う」ためには、プレミアム(権利料)と呼ばれる費用を支払います。
どのような取引かイメージしてみましょう
コールオプション(買う権利)の買いとは?
りんご社の株を1カ月後の満期日までに権利行使価格100ドルで100株買う権利を、プレミアム3ドルで1枚買う取引をイメージします。

この取引のポイント
株価が100ドルより上がれば、この「権利」の価値が上がる
株価が103ドル(損益分岐点)より上がれば、利益が出る
株価が100ドル以下なら、この「権利」には価値がなくなる
株価が103ドル(損益分岐点)以下なら、損失となる
最大損失は払った300ドルのみ
株価が上がるほど利益が拡大
1カ月後の満期日までに株価が110ドルまで上昇したとしたら、100ドルで100株を買う「権利」の価値は上がります。
損益のイメージとしては、(株価110ドル ー 権利行使価格100ドル)× 1枚 × 100株=1,000ドル
この1,000ドルから支払ったプレミアム300ドルを差し引いた700ドルが利益と考えることができます。
プットオプション(売る権利)の買いとは?
例えばこんなイメージです。
りんご社の株を1カ月後の満期日までに権利行使価格100ドルで100株売る権利を、プレミアム3ドルで1枚買う取引をイメージします。

この取引のポイント
株価が100ドルより下がれば、この「権利」の価値が上がる
株価が97ドル(損益分岐点)より下がれば、利益が出る
株価が100ドル以上なら、この「権利」には価値がなくなる
株価が97ドル(損益分岐点)以上なら、損失となる
最大損失は払った300ドルのみ
株価が下がるほど利益が拡大
1カ月後の満期日までに株価が90ドルまで下落したとしたら、90ドルで100株を売る「権利」の価値は上がります。
損益のイメージとしては、(権利行使価格100ドル ー 株価90ドル)× 1枚 × 100株=1000ドル
この1000ドルから支払ったプレミアム300ドルを差し引いた700ドルが利益と考えることができます。
補足:「権利」を行使しない選択肢も
オプション取引というと、「権利を行使して実際に株を売買するもの」と思われがちですが、実際は少し違います。
満期日まで待たずに「オプション自体」を決済(=途中で手じまい)する方法も広く行われています。
戦略や相場状況によっては権利行使を前提とするケースもありますが、権利行使が必須なのではなく、状況に応じて途中売却できるということを覚えておきましょう(※1)。
米国株オプション取引のメリット
少ない資金で大きなリターンが期待できる(レバレッジ効果)
オプションの「買い」では、現物株を取引する場合と比べて少額のプレミアム支払いで、株価の変動による大きな利益が期待できます。
1株=100ドルのりんご社の株を100株購入するには10,000ドルが必要ですが、同じ銘柄のコールオプションを1枚購入する場合、必要なプレミアムは数百ドル程度で済むこともあります。
相場が思惑どおりに動けば、投入資金に対するリターンの割合が大きくなる可能性もあり「レバレッジ効果」が働きます。
下落局面でも利益が期待できる
株式投資は通常、株価が「上昇すること」で利益を目指します。一方、オプション取引ではプットオプション(売る権利)を購入することで、株価が「下がる」局面でも利益が期待できます。
現物株のリスクヘッジに活用できる
オプション取引は、保有している株式の価格変動リスクを軽減する手段としても活用されます。
例えば、保有中の株式が短期的に値下がりしそうな局面では、株を手放さずに保有を継続しながら、プットオプション(売る権利)を購入します(プロテクティブ・プット戦略)。
プットオプションの値上がりによって、保有株の価格下落時の損失をある程度カバーする「保険」のような仕組みとして機能します。
※ただし、すべての損失を完全に補えるわけではありません。
プレミアムの獲得も可能
オプション取引では、「買う」だけでなく「売る」こともできます。
オプションを「売る」と、買い手からプレミアムを受け取れるため、プレミアムを収益とする取引も可能です。
プレミアムに関するポイント
オプションの買い手は、「決められた価格で売買できる権利」を得る代わりに、取引時にプレミアムを支払います。
オプションの売り手は、買い手が権利を行使した場合に「売買に応じる義務」を負う代わりに、取引時にプレミアムを受け取ります。
注意すべきリスク
オプション取引にはメリットだけでなく、特有のリスクも存在します。
オプションの「買い」の支払いプレミアムが全損するリスク:
オプションの「買い」では、途中で売却しても満期まで保有しても、損失は支払ったプレミアムの範囲に限定されます。
相場が想定通りに動かなかった場合は、プレミアムは下落し、最終的にプレミアム全額が損失となる可能性がある点に注意が必要です。
オプションの「売り」の場合は損失が大きくなる可能性:
特に、保有株や資産による担保なしでオプションを売る「裸売り」の取引では、相場が急変した際に、損失が理論上無制限に拡大するおそれがあります。
プレミアムは大きく変動する:
プレミアムは、原資産の価格だけでなく、相場の変動性(ボラティリティ)や満期日までの残り期間などによっても変動します。取引前にはプレミアムに影響する要因を把握することも重要です。
オプション取引の仕組みをもっと理解するために、次はオプション取引でよく使われる用語を確認してみましょう⇒米国株オプション取引に関する用語を学ぼうへ
オプション戦略を学ぶ:
カバード・コール:保有株を活用してプレミアムを得るためのオプション戦略
ターゲット・バイ:希望価格での買付とプレミアム収入を両立するオプション戦略
プロテクティブ・プット:保有資産に対する「保険」として有効なオプション戦略
(※)プレミアムについてもっと知る:
これらの内容は、情報提供及び投資家教育のためのものであり、いかなる個別株や投資方法を推奨するものではありません。こちらの投資情報は説明目的の用途でのみ提供されており、すべての投資家にとって適切であるとは限りません。 詳細情報
