信用取引の落とし穴:不足金
不足金とは?
信用取引における「不足金」とは、取引の決済や費用の支払いに必要な現金が口座内で不足している状態を指します。
一般的に「追証(追加保証金)」と混同されがちですが、不足金は委託保証金率に余裕がある場合でも発生する可能性があるため、その仕組みを正しく理解することが重要です。
損失が発生している建玉を返済する際は要注意
信用取引で損失が発生している建玉を返済する際は、取引の決済時に不足金が生じる可能性があるため、注意が必要です。
しかし、この段階で損切りを目的として建玉を返済すると、5,000米ドルの損失が確定し、受渡日に委託保証金から差し引かれることになります。このとき、委託保証金のうち現金部分は3,000米ドルであるため、5,000米ドルの損失を補うには資金が不足し、結果として2,000米ドルの不足金が発生します。

委託保証金率に余裕があっても、現金が不足していると不足金が発生する可能性があります。評価損が出ている建玉を返済する際には、事前に口座の現金残高を確認し必要に応じて追加の入金を行いましょう。
代表的な不足金発生のケース
決済損による不足金発生
不足金が発生する最も基本的な原因は、決済損の支払いです。上記の事例のように、評価損が発生している建玉を返済し、その確定損失を補うための現金が口座内に不足している場合、不足金が発生します。
金利・貸株料の支払いによる不足金発生
「買建」で建玉を保有している間は金利が発生します。「売建」で建玉を保有している間は貸株料が発生します。これら金利・貸株料は決済時に一括で清算されるため、決済時に口座の現金残高が不足していると、不足金が発生する可能性があります。
配当落ち調整金による不足金発生
信用取引で「売建」している銘柄が配当を実施する場合、配当金に相当する「配当落ち調整金」を支払う必要があります。この支払いは、口座内の現金から差し引かれます。もし口座内に十分な現金がない場合、不足金が発生することになります。
さらに、以下のようなケースでも不足金が発生することがあります。
代用有価証券での取引による不足金発生
代用有価証券を信用取引の委託保証金として利用している場合、株価の下落によってその評価額が減少すると、決済時に不足金が発生することがあります。
保証金率50%以下の状態での決済損による不足金発生
委託保証金率が50%を下回った状態で損失を確定させると、不足金が発生することがあります。建玉の評価損が拡大した場合、委託保証金から損失分が差し引かれ、現金部分が不足するからです。
不足金が発生した場合は?
不足金が発生した場合、受渡日の15:00までに入金が必要となります。
米ドルを入金した場合、そのまま不足金の充当に充てることができます。しかし、日本円を入金した場合は、不足金が発生した通貨である米ドルに両替する必要があります。
不足金が発生した通貨以外の通貨を保有している場合(米ドルではなく日本円を保有)、一定の時間を過ぎると自動的に両替が行われます。
※特定口座の「源泉徴収あり」を選択している場合、信用取引の譲渡益に対して日本円で源泉徴収が行われます。この際、源泉徴収額に相当する日本円が預り金にない場合にも、不足金が発生することがあります。
※詳細なルールやコスト等に関する情報は、当社の米国株式信用取引取扱規定および米国株式信用取引に関するルールをご確認ください。
不足金は、取引の受渡日に必要な現金が不足した場合に発生します。不足金が発生すると、アプリ内で「いくら足りないのか」などの通知が届きますが、追証とは異なり、事前に預り金や委託保証金に余裕を持たせておけば回避可能です。
過度に心配する必要はありませんが、「知らなかった!」とならないように、基本的な仕組みを理解し、口座残高を適切に管理することが大切です。
参考:追証・不足金ルール
参考リンク:
これらの内容は、情報提供及び投資家教育のためのものであり、いかなる個別株や投資方法を推奨するものではありません。こちらの投資情報は説明目的の用途でのみ提供されており、すべての投資家にとって適切であるとは限りません。 詳細情報
