信用取引を使った「つなぎ売り」を攻略!

05/19 21:02

株式投資では、保有する銘柄の株価が一時的に下落するリスクは常につきまといます。このリスクを回避する手段として「つなぎ売り」があります。今回は、信用取引を利用したつなぎ売りの基本を解説します。

保有株式の下落リスクを回避する

つなぎ売りとは、保有している現物株が値下がりするリスクを回避するために、信用取引で売り建てを行う戦略です。たとえば、長期的には上昇を見込んでいる銘柄を現物株で保有していても、短期的には下落リスクがあると判断した場合、同じ銘柄を信用取引で売り建てして下落に対するリスクヘッジをします。株価が下がれば、売り建ての利益で現物株の損失をカバーでき、株価が上昇した場合でも現物株の含み益が増えるため、どちらの場合でも株式の価格変動リスクを軽減できるのが、つなぎ売りの特徴です。

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つなぎ売りのプロセス

つなぎ売りを実践するには、まずポートフォリオ内の現物株の中で、今後値下がりが想定される銘柄を選定します。つなぎ売りを行う銘柄を決めたら、信用取引で売り建て注文を出します。市場のトレンドや企業の決算発表前後の動向を踏まえて、売り建てを行うタイミングを見極めます。

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売り建てを行ったあと、株価が想定通り下がった場合、売り建てのポジションを決済(買い戻し)して利益を確定し、もともと保有していた現物株の反発を待ちます。一方で、売り建てを行ったにも関わらず株価が上昇している場合には、つなぎ売りを早めに解消し、現物株の上昇を利益につなげていきます。

つなぎ売りの実践例

ケーススタディ1: 決算発表前のつなぎ売り

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$メタ・プラットフォームズ (META.US)$ の株式を現物で保有していましたが、2024年4月24日の決算発表前に株価の調整を予想したため、短期的な下落を見越して信用取引で売り建てを行いました。結果として、決算発表直後に株価が約10%下落しましたが、つなぎ売りによってその損失をカバーし、決算通過の売り一巡後に再び株価が上昇した際には現物株の含み益も得ることができました。

決算発表の前後では株価が大きく変動することが多いです。つなぎ売りを利用することで、決算発表後に株価が一時的に下落しても、売り建てによる利益で現物株の評価損をカバーすることができ、その後の上昇局面では現物株の利益を得られます。なお、売り建ての注文発注時には、直近の高値やボリンジャーバンドの+2シグマを参考にできます。

ケーススタディ2:価格が過熱しており、一時的な調整が予想されるとき

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テクニカル分析は、株価が過熱している局面や下落の兆候を見つける一助となります。

ボリンジャーバンドは、移動平均線を中心に、その上下に一定の範囲でバンドが描かれます。バンドが広がるとボラティリティが高まり、狭まると低下していることを示します。株価は、この「±2シグマ」の範囲内に約95%、「±3シグマ」の範囲内に99%以上の確率で収まるとされ、エントリーや決済の目安となります。

  • バンド上限(+2~3シグマ):株価がこのラインに近づくと「買われすぎ」で、反落の可能性が高まる。

  • バンド下限(-2~3シグマ):株価がこのラインに近づくと「売られすぎ」で、反発の可能性が高まる。

たとえば、$アマゾン・ドットコム (AMZN.US)$ の株価を例に考えてみましょう。価格が±3シグマのライン付近で何度も反発しているのがわかります。株価の上昇局面で価格がバンドの上限にタッチしたときは、一時的に買われすぎの状態にあると考えられるため、つなぎ売りを検討できます。

しかし、適切なタイミングでつなぎ売りを解消しなければ、逆に利益を逃したり、損失を出してしまう場合もあります。具体的には次のようなケースが考えられます。

株価が上昇に転じたとき

株価の上昇局面は、本来利益が得られるタイミングですが、売り建てのポジションの場合は、相場の上昇から恩恵を受けられなくなります。そのため「思惑通り株価が下がった時に売り建てのポジションを解消する」必要があります。株価がボリンジャーバンドの+2シグマを越えて上昇し続けるときや、-2シグマに到達したときは、つなぎ売りを解消する目安となります。

売りポジションを長期間持ち続けたとき

つなぎ売り自体は一見するとリスクが低いように思えますが、実際には売り建てを行う際には貸株料が発生するため、ポジションの保有期間が長くなるほど不利となります。株価がボリンジャーバンドの±1シグマの中で推移するような値動きの乏しい状態が長期間続いたときは、つなぎ売りの解消を検討すべきです。

つなぎ売りを成功させるポイント

つなぎ売りを成功させるうえで、最も重要になるのは売り建てと決済(買い戻し)のタイミングの見極めです。テクニカル分析を利用することで、株価が過熱している局面や反発の兆候を見つけやすくなります。(→ケーススタディ2)。

タイミングよく「高値で売って、安値で買い戻す」ことができれば、保有銘柄の値動き(含み)に加えて、つなぎ売りによる利益を得ることも可能です。ただし、株価は思惑通りに動かないこともあるため、逆指値注文を設定して損失を最小限に抑えるのも大切です。

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※株価が上昇した場合には、現物株を引き渡す(現渡し)ことで損失を回避することもできますが、現在moomooでは未対応となっており、現引き・現渡しのサービスを開始次第速やかにお伝えします。

つなぎ売りのリスク管理

つなぎ売りはあくまでも、保有現物株下落のヘッジ手段であり、大きな利益を狙う戦略ではありません。適切に行えば、保有株の下落リスクを軽減できますが、失敗すれば損失を招く可能性もあります。以下に、つなぎ売りに伴うリスク管理のポイントを整理しました。

十分な余力をもつ

売り建てした銘柄が急騰した場合、現物株の含み益が増える一方で、信用取引の損失が大きくなり、委託保証金率が下がるため、追証が発生するリスクがあります。十分な資金余力と委託保証金率をもって取引に臨みましょう。

損切りラインの設定する

つなぎ売りを行う際には「逆指値注文」を活用して、損失の拡大を防ぐために必ず損切りラインを設定しておくようにしましょう。株価が予想と異なる方向に動いた場合でも、あらかじめ決めておいた価格で素早くポジションを解消することで損失を最小限に抑えつつ、想定外の大きな損を出して判断力が鈍るというリスクも回避できます。

ポジションサイズを調整

つなぎ売りのポジションサイズは、現物株と同等か、少し少なめに設定するのが一般的です。現物株に対して過度に大きい売り建てのポジションを取ると株価が上昇した場合、売建ての損失が現物株の含み益を超えてしまいリスクヘッジの意図が失われ、損益も悪化します。資金余力の管理の難易度もあがるため、まずは少額からつなぎ売りを実践してみるなどして、自分がとれるリスクに応じたポジションサイズを設定することを推奨します。

コストへの意識

売り建てを行うには取引手数料とは別に信用取引特有のコストとして貸株料が発生するため、長期間にわたってつなぎ売りを続けると、貸株料がかさんで利益を圧迫してしまう可能性もあります。信用取引のポジションを長期保有する場合は注意が必要です。

● 貸株料の計算式

売り建玉金額(米ドル:終値により日々変動)× 貸株料X% ÷ 360日 × 建玉保有の日数

デイトレード(同日中に行う信用取引の売買)の場合、貸株料は無料です。

貸株料は、信用取引対象銘柄約1100銘柄のうち、約900銘柄が1.5%(固定)で、残りの200銘柄は銘柄により異なり、日々変動します。

つなぎ売りが可能な銘柄かどうかは、【米国株】信用取引取扱銘柄から確認してください。

まとめ

つなぎ売りへの理解は深まりましたか?つなぎ売りは、現物保有株式の値下がりのリスクヘッジとして機能する一方で、株価の上昇局面でも現物株の利益を享受できるのが大きなメリットです。ただし、ポジションサイズや注文タイミングの誤りが思わぬ損失を招くリスクもあるため注意が必要です。信用取引に伴うコストや委託保証金率の管理を十分考慮しながら、つなぎ売りを短期的なリスクヘッジや利益獲得の手段として取り入れてみましょう。まずは少額から始め、投資スタイルに合った方法やポジションサイズを見つけてください。

これらの内容は、情報提供及び投資家教育のためのものであり、いかなる個別株や投資方法を推奨するものではありません。こちらの投資情報は説明目的の用途でのみ提供されており、すべての投資家にとって適切であるとは限りません。 詳細情報

目次
つなぎ売りの実践例
つなぎ売りのリスク管理
まとめ