【下落相場に備える基本戦略】プットオプションの買い
【下落を見込むなら】プットオプションの買い戦略
プットオプションの買いでは、株価の下落によって利益を得ることを目指します。
今回は、プットオプションを購入した場合の損益シナリオを具体例を用いて解説します。
「プットオプションの買い」とは?
プットオプションの買いは、相場が下落した局面でも、損失を限定しながら「儲かる」可能性を追求できる数少ない手法のひとつです。
その仕組みは、「あらかじめ決められた価格(=権利行使価格)で、将来、原資産を売ることができる権利」を買う取引です。
株価が権利行使価格を下回ると、プットオプションの価値は上昇します。
利益の確定方法には「途中決済(売却)」と「権利行使」があり、途中決済では株価が下がるほど利益拡大が期待できます。権利行使では、あらかじめ決めた価格で売却し利益を確定します。
プットオプションの買い戦略では、損失はプレミアムまでに限定されるのが特徴です。

具体例で確認!プットオプション買いの損益シナリオ
では、実際にどのように利益(儲け)が生まれるのか、具体例を使って見ていきましょう。
投資家Mさんが「りんご社の株は3か月以内に下落しそう」と予想し、3か月後に満期となる、権利行使価格95ドルの、りんご社の株のプットオプションを1枚(100株分)買ったしたとします。
⇒「1株95ドルで100株売る権利」を購入したということです。
オプション取引は「1枚」あたり100株分が取引単位です。
現在の株価:100ドル
権利行使価格(=将来売れる価格):95ドル
プレミアム(オプション料):2ドル
損益分岐点:95ドル(権利行使価格)− 2ドル(支払ったプレミアム)= 93ドル
数量:1枚(100株分)
プットオプションの買いでは、プレミアムを支払って「売る権利」を取得します。
支払プレミアム=プレミアム× 取引枚数 × 100株
2ドル× 1枚 × 100株 =200ドル

ケース1:満期日までに株価が下落し、決済する場合
例えば、株価が90ドルまで下落したことで、購入時2ドルだったプレミアムが5ドルに上昇した場合、オプションを売却すると次のように利益が得られます。
オプション売却(決済)の場合:
利益=(売却時プレミアム−買付時プレミアム)× 取引枚数 × 100株
(売却時プレミアム 5ドル - 購入時プレミアム 2ドル)× 1枚 × 100株 = 300ドルの利益
ケース2:満期日に株価が90ドルに下落し、権利行使する場合
権利行使の場合:
利益=(権利行使価格-株価 − プレミアム) × 取引枚数 × 100株
(権利行使価格95ドル ー 株価90ドル ー プレミアム2ドル)× 1枚 × 100株 =300ドルの利益
単独のプット買いとプロテクティブ・プット(※1)では権利行使の結果が異なります
株保有なし(単独のプット買い)⇒「空売り発生」のため、満期日当日のマーケット終了までに弊社による強制決済
株保有あり(プロテクティブ・プット)は⇒保有株を権利行使価格で売却
ケース3:満期日に株価が95ドル以上だった場合
オプションを行使するメリットがなくなるため、オプションは無価値となり、支払った200ドルのプレミアムが全額損失となります。
株価が大きく下落していれば利益が拡大し、下落しなければ支払ったプレミアムが損失となるのが、プットオプションの買い戦略の基本的な仕組みです。

オプションは、満期を待たずに途中で売却(手じまい)が可能で、状況に応じて、利益確定や損切りの選択肢を持つことができます。
オプションの買いの場合、売却時のプレミアムが購入時より高ければ差額が利益となります。逆に、プレミアムが下がっていれば損失となります。
プレミアムは、株価の動きだけでなく「満期までの残り期間」や「相場のボラティリティ」によっても変動します。このあたりの基本ルールは、こちらのコンテンツでまとめています:オプション取引とプレミアムの基本ルール
プット買い戦略の特徴まとめ

こんな場面で活用が期待できます
プットオプションの買いは、下落を見込む局面で「備えたい」「利益を狙いたい」場合に有効な戦略です。
「この銘柄、やや割高で調整が入りそう」
⇒少額のプレミアム支払いで下落に乗るチャンスを狙えます。
「急落リスクが気になるが、現物株は売りたくない」
⇒プット買いにより、保有資産の下落リスクに備えることが可能です。
「決算発表や政策イベントで急落する可能性に備えたい」
⇒プット買いは短期的な下振れリスクへの対応策として活用できます。

知っておきたい重要ポイント:プット買いとプロテクティブ・プットの違い(※1)
プットオプションの買いは、単独で下落局面を狙う戦略(プット買い)としても、株価下落に備える保険(プロテクティブ・プット)プロテクティブ・プット:保有資産に対する「保険」として有効なオプション戦略としても活用できます。
プット買い単独よりも、プロテクティブ・プットは保有株に対しての「資産防衛(リスクヘッジ)」を目的とする分、取引としてのリスクは比較的抑えられます。
ほかのオプション戦略を学ぶ:
これらの内容は、情報提供及び投資家教育のためのものであり、いかなる個別株や投資方法を推奨するものではありません。こちらの投資情報は説明目的の用途でのみ提供されており、すべての投資家にとって適切であるとは限りません。 詳細情報
