東京市場サマリー：日経平均、最高値から一時10％下落、調整相場入りの水準割り込む　半導体総崩れ

市場概況
今日の東京株式市場で日経平均株価は前営業日比1011.35円安の37068.35円、東証株価指数（TOPIX）が51.13ポイント安の2626.32で終了した。

トップニュース
日経平均一時1300円安、イスラエルがイラン攻撃との報道で
イスラエルがイランに向けてミサイルを発射したと米ABCニュースが報道したことを受け、19日のアジア株式市場は下落している。一方で、安全通貨とされる円やスイスフランは上昇している。日経平均は一時3％余り下げ、取引時間中として2月9日以来およそ2カ月半ぶりに3万7000円を下回った。ドルは一時153円78銭まで下落。
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原油高騰は円安を加速する弱点、貿易赤字と米利下げ後退のスパイラル
中東情勢の緊迫化を受けた原油上昇リスクの高まりは、エネルギー供給の大半を輸入に頼る日本の通貨にとって下げが加速しかねないもう一つの弱点だ。国際原油相場の指標である北海ブレント原油先物は昨年12月に付けた安値から既に20％以上上昇し、イスラエルとイランの対立激化への懸念が原油価格を一段と押し上げる恐れが生じている。野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストの試算では、原油価格が10％上昇すると年間で３－４円の円安要因になるという。
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リスクからの「急速な」逃避は続く見込み－バークレイズのバンカー
バークレイズの投資銀行部門のシニアバンカー、スティーブン・デイントン氏は、中東紛争の激化に対する懸念から、投資家のリスク資産離れが急速に進んでいると指摘した。投資銀マネジメント責任者の同氏はシンガポールでブルームバーグテレビジョンのインタビューに答え、「ここ４、５カ月に高まってきた中東における地政学的リスクは、最前面にでてきた。この質への逃避は続くだろう」と語った。

AI・半導体だけじゃない　24年の急上昇株を大検証
最近の日経平均株価の上昇は、半導体株や一部の大型株だけが牽引したもので、物色の幅は広がっていないと語られることが多い。しかしこの間にも、株価が2倍、3倍以上の大化けとなる銘柄は幅広く存在しており、その中には中小型株も多かった。まずは最近の大化け銘柄を総ざらいし、何が起きていたかを振り返ろう。
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物価に再びコストプッシュ圧力、輸入品が値上がり基調
中東情勢の悪化や円安で物価の上昇圧力が長期化する兆しが出てきた。総務省の3月の消費者物価指数（CPI、2020年=100）によるとサービス価格が2%台前半となる中、モノの価格は3.3%上昇と高止まりが鮮明になった。電気代への補助金終了やイランとイスラエルの対立激化などでエネルギー価格にも上振れ懸念が強まっており、コストプッシュ型のインフレが再燃する可能性がある。

注目銘柄
さくらネットが一時Ｓ高、国のＡＩスパコン補助報道でコメント開示◇
$さくらインターネット(3778.JP)$が一時ストップ高の水準となる前営業日比1000円高の6190円に買われた。19日付の日本経済新聞朝刊が「経済産業省はＡＩを開発する際に使うスーパーコンピューターの国内整備に乗り出す」と報じた。さくらネットなど５社のＡＩスパコンの整備に合計７２５億円を補助するという。これを受けさくらネットは１９日の取引開始前に、「報道の通り最大補助額約500億円の申請を行っている」とするコメントを発表。報道では補助対象に内定した企業として、上場企業ではさくらネットのほか、 $KDDI(9433.JP)$と $GMOインターネットグループ(9449.JP)$の名を挙げている。

東京エレクトロン－大幅安　日経平均が一時1000円安　1銘柄で270円押し下げ
$東京エレクトロン(8035.JP)$が大幅安。半導体株が軒並み売られる中、同社1銘柄で日経平均株価を270円ほど押し下げている。指数マイナス寄与度では、 $アドバンテスト(6857.JP)$、 $ソフトバンクグループ(9984.JP)$、 $信越化学工業(4063.JP)$、 $レーザーテック(6920.JP)$などが上位となっており、日経平均は前日比1000円安となる場面もみられた。

ＩＮＰＥＸなど石油関連株が逆行高、イスラエルがイラン攻撃と伝わる
$INPEX(1605.JP)$、 $石油資源開発(1662.JP)$が全体下げ相場のなか逆行高。 $ENEOSホールディングス(5020.JP)$や $出光興産(5019.JP)$、 $コスモエネルギーホールディングス(5021.JP)$も高い。イスラエルがイランにミサイル攻撃を行ったと伝わっている。シリアやイラクなどでも爆発があったとの報道もあるもよう。足もと米ＷＴＩ先物価格は時間外取引で大幅上昇しており、これを受け石油関連株に買いが入っている。

配信元：MINKABU、Bloomberg、日本経済新聞、トレーダーズ・ウェブ