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≪テスラ(TSLA)≫ 1Qの納車台数と業績見通し、対エヌビディアで考える復活のシナリオは?

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moomooニュース米国株 コラムを発表しました · 04/03 04:44
テスラの1Q納車台数、予想を大幅に下振れ
$テスラ(TSLA.US)$が4月2日に1-3月期(1Q)の納車台数を発表した後、株価が急落した。もっとも、テスラ株の株価パフォーマンスは今年1-3月に四半期ベースで過去3番目の下落率を記録した。株価は販売鈍化を織り込まれてきたが、不十分だったことが示された。
≪テスラ(TSLA)≫   1Qの納車台数と業績見通し、対エヌビディアで考える復活のシナリオは?
4月2日に発表された1Qの納車台数は38万6,810台で前年同期比で9%減少し、2020年4-6月期(2Q)以来の大幅鈍化となった。市場予想(Bloomberg集計)の44万9,080台をも12%下回った
≪テスラ(TSLA)≫   1Qの納車台数と業績見通し、対エヌビディアで考える復活のシナリオは?
伸び鈍化の要因
会社側は、米カリフォルニア州フリーモント工場での改良版「モデル3」の生産立ち上げが初期段階にあること、紅海紛争による船舶迂回独ベルリン工場での放火による操業停止が伸び鈍化の原因の一部だと説明している。市場で懸念している需要鈍化(懸念)についてはまったく触れなかった。
もっともアナリストたちは、会社側が示した要因に加え、EVの需要鈍化と競争激化による影響を鑑み、予想を下方修正してきた。それにもかかわらず実績が予想を大幅に下振れたということは、上記要因による影響が予想以上に大きかったことを示唆する。
中国市場での競争激化
テスラのEV需要鈍化と競争激化懸念については、中国市場を取り上げることが多い。中国では競争激化によって年初から各社が値下げを発表し、1-2月は各社とも販売の鈍化が目立ったためだ。
他方、3月は予想外にEVメーカーの販売が回復した。EV最大手のBYDは3月に62.6万台の新エネルギー車(うちEVは約30万台)を納車し、前年同月比で13%増に転じた。新興EVメーカーの $リー・オート(LI.US)$ は2.9万台の納車で同39%増; $ニオ(NIO.US)$ は1.2万台の納車で同14%増; $シャオペン(XPEV.US)$ は0.9万台の納車で同29%増となった。
テスラは月次ベースの販売データを公表していないが、中国業界団体の発表値に基づくBloombergの試算によると、テスラの3月の中国出荷台数は前年同月比0.2%増にとどまった
したがって、テスラにとっての中国リスクは、需要鈍化より競争激化のほうが強いと言えそうだ。各社が競ってテスラに対抗するために新車種をより手ごろな価格で投入している中、テスラは従来の車種でちょっとした値下げで対応しているためだ。よって、テスラにとって新車種(例えば、2万5,000ドル台の格安EV)の早期投入が重要になってくると考えられる
テスラの業績見通し
テスラが1Qの納車台数を発表した後、アナリストたちによる業績下方修正が目立った。4月2日の納車台数発表前と4月3日(レポート作成時)と比較した場合、1Qの売上高は2%調整後EPS(1株当たり利益)は4%下方修正された(Bloomberg集計、以下同様)。
なお、下方修正後(4月3日)のデータに基づけば、1Qの売上高は前年同期比で1%増調整後EPSは19%減になる見通しとだ。今後、下方修正が続いた場合、上記の比率は一段と低下することも予想される。
≪テスラ(TSLA)≫   1Qの納車台数と業績見通し、対エヌビディアで考える復活のシナリオは?
テスラの目標株価
業績見通しとともに目標株価も引き下げられている。アナリストたちによる業績見通しと目標株価修正が続いた場合、株価を一段と押し下げる可能性もあるかもしれない。また、4月2日の納車台数発表と同じように、テスラが4月23日(予定)の決算発表で市場予想を下回る業績を発表した場合、立つ続けのネガティブ・材料となる可能がある。他方、低い期待値に比べて上振れの業績や見通しを示した際は、見直し買いにつながる可能性があるかもしれない。
≪テスラ(TSLA)≫   1Qの納車台数と業績見通し、対エヌビディアで考える復活のシナリオは?
対エヌビディアで考える復活のシナリオは?
テスラの懸念要因として、多くのアナリストが中国市場での需要鈍化や競争激化を挙げている。中国がテスラにとって重要な市場の一つであるためだ。例えば、テスラの地域別売上高構成比(2023年12月期)は米国が46.7%、次いで欧州を含むその他が30.8%、中国が22.5%となっている。
一方、中国以外が7-8割を占めるため、米国や欧州が好調なら中国の鈍化分は相殺できた可能性もあろう。テスラと同じくかつて中国の売上高構成比が2割を占める $エヌビディア(NVDA.US)$がその好例と言える。
≪テスラ(TSLA)≫   1Qの納車台数と業績見通し、対エヌビディアで考える復活のシナリオは?
エヌビディアも1年前は中国での販売鈍化懸念で株価が下落した。しかしその後、AIブームの恩恵で米テック大手がそろってAI投資を増やした中、エヌビディアは米国で売上高を急速に伸ばした。2023年度(2023年1月期)以降は地域別構成比で米国が中国を上回った。したがって、テスラにとって中国リスクは真のリスクでないかもしれない。
テスラの復活のシナリオは?
EVをめぐっては中国に限らず、欧米でも初期の急拡大期に比べると、ここ1年は導入ペースが鈍化している。世界EV市場は踊り場を迎えていると言える。背景要因として、中国では2022年末に補助金政策の終了し(取得税免除は継続している)、欧州では主要諸国が2023年に補助金政策を打ち切ったことが挙げられる
米国は中国と欧州より遅くEVの税優遇措置を導入したが、対応車の制限は厳しい。それがゆえに、米国の政策は中国と欧州ほどEV販売を押上げておらず、EVが依然として高額なことがEVの普及を妨げている。前述のように中国では競合がお手頃の値段でEVを相次いで打ち出しており、テスラからシェアを取っている。したがって、テスラが格安EVで進展を見せた際は、販売拡大期待につながり、株価材料になる可能性があるかもしれない。
中長期的には、「次世代⾃動⾞やAI技術による完全⾃動運転」がカギか
1月の決算発表会でイーロン・マスクCEOは、テスラは今、二つの波の間にあるとの認識を示した。つまり、「モデル3」と「モデルY」のグローバル展開の波と、次世代⾃動⾞やAI技術による完全⾃動運転に牽引される次の成⻑の波の間だ。
「次世代⾃動⾞やAI技術による完全⾃動運転」は、まさに今のAIブームにも沿ったテーマでもある。株式市場でAIブームが沸く中、この分野でテスラの出遅れ感が目立つのも投資家の失望を誘っている。もし、テスラが「完全自動運転」(FSD)分野において予想を上回る進展を見せ、次の成長の波に向けた道筋を示すなら、再びグロース銘柄の名誉を取り戻せるかもしれない
2024年4月3日作成 マーケット・アナリスト Amelia
出所:会社資料、Bloombergおよび各種報道をもとにmoomoo証券作成
≪テスラ(TSLA)≫   1Qの納車台数と業績見通し、対エヌビディアで考える復活のシナリオは?
≪テスラ(TSLA)≫   1Qの納車台数と業績見通し、対エヌビディアで考える復活のシナリオは?
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コメント
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  • kiyo01227 : Teslaに過剰な期待はしていない

  • 181646320 : 電気自動車に未来は無いと思う他の事業には未来が見えるから電気自動車事業にのめり込むと環境破壊会社になる。
    衛星通信事業、xもっと他の事業開発が必要だと

  • 新div : 販売台数クリアできるまでは、安易に拾うのは危険だなぁ。
    決算は嵐か、もう折り込んだかわからんが
    38万台数は年間200万台超えは黄色信号
    これでは、ガイダンスも期待できんかも。

  • 182458763 : ^_^テスラが、見ているのは遥か先の世界ではないでしょうか!
     オプティマス、スペースXなど人工衛星との往復に使われた宇宙船は、それまでの物とは次元の違うものだと思います。物理スイッチを廃して離着陸可能なロケットブースターの開発を試みるなど誰にもできない事を敢えて行っています。
     EV製造は、もう少ししないと軌道に乗れないと思いますが、テスラが狙うのは、ミニマムグリッドによる移動手段の無料化と自動運転だと思います。ビッグデータの量とベータ版自動運転の様子を見る限りFSDの可能性が高いのは、テスラかもしれません。
     株価は、低迷していますが個人投資家としては応援したく思います。