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日本が逆襲!半導体の回路描く「露光装置」関連銘柄は?AIなど先端分野向け新技術や逆張り戦略でASMLに対抗

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ビットバレー投資家 コラムを発表しました · 04/19 02:56
半導体ウエハー上にナノ(10億分の1)メートルレベルの電子回路パターンを形成する「露光装置」は“人類史上最も精密な機械”とされており、製造工程の心臓部でもある。もともとは日本勢が世界シェアを占めていたが、収益性の高い最先端半導体向けの装置開発で後れを取り、現在ではオランダ $ASMLホールディング(ASML.US)$独り勝ち状態となっている。ASMLの極端紫外線(EUV)を使った最先端向け装置は1台200億円から500億円とされる。一方、日本勢が主な市場とする非先端向け装置は、1台数億円から数十億円だ。しかし、ここにきて革命的な新技術や逆張り戦略で巻き返しを図る兆候も見えてきた。
現在、露光装置の世界シェアはASMLと日本のキヤノン、ニコンの3社でほぼ独占している。三菱UFJモルガン・スタンレー証券によると22年の露光装置販売台数では、首位のASMLの世界シェアが62%、2位のキヤノンが31%、ニコンは3位の7%となっている。(日本経済新聞23年11月7日付)
日本発の革命的新技術とは?
画期的技術として注目されているのが、キヤノン、 $大日本印刷(7912.JP)$、キオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)が約10年前から共同開発してきたAIなど先端半導体向け新技術、「ナノインプリントリソグラフィ」だ。キヤノンは23年10月、この技術による装置の発売にとうとうこぎつけた。ウエハー上にハンコを押すようにして微細な回路を転写するシンプルな接触方式で、強い光や多数のレンズやミラーを使う従来技術に比べ、消費電力は10分の1になる。
カメラの技術を基に、産業機器や事務機器、半導体用露光装置、医療用画像診断装置などを手掛ける。半導体露光装置販売台数は21年に140台だったが、24年には247台に伸び、約1.8倍増となる見通し。25年、栃木県宇都宮市で半導体露光装置の新工場が稼働予定。24年12月期予想売上高は前期比4%増の4兆3500億円、予想純利益は15.3%増の3050億円。19日終値4351円はアナリストらの平均目標株価4227.27円を上回っているが、目標株価最高値5100円までは約17.2%の上昇余地がある。
23年初からの株価推移
23年初からの株価推移
キヤノンの露光装置などを含む工業関連分野の営業利益率(緑)は高水準
キヤノンの露光装置などを含む工業関連分野の営業利益率(緑)は高水準
$大日本印刷(7912.JP)$
印刷が祖業で、産業資材やエレクトロニクスなどに領域を拡大。半導体製造用フォトマスク、パッケージ用リードフレームなども手掛ける。半導体関連やディスプレイ関連製品を扱うエレクトロニクスセグメント売上高は全体の約15%(22年度)。24年3月期の予想売上高は前期比2.7%増の1兆4100億円、予想純利益は2.7%増の880億円。19日終値4414からアナリストらの平均目標株価5116.67円までの上昇余地は約15.9%
23年初からの株価推移
23年初からの株価推移
逆張り戦略で巻き返しを図るのは?
ニコンは、逆張りの戦略で勝負する。ASMLが先端品市場を独占する中、パワー半導体などの非先端向けの旧世代の光源技術にフォーカスし、中国市場を開拓する方針だ。日本政府は米国の対中規制にならい、23年7月に半導体製造装置を中国への輸出規制対象に追加。規制により中国企業は最先端装置の調達が難しくなり、製造ラインを非先端向けに切り替えざるを得なくなっているという。そうした企業に性能を抑えて輸出管理の対象から外れるようにした露光装置を売り込む。24年3月期Q3までの累計は、露光装置販売台数は前年比で増加している。
精密機器、光学機器メーカー。今年1月には最上位機種となる露光装置新製品を投入。露光できるウエハー量は従来製品より10〜15%増える。24年3月期の予想売上高(売上収益)は前期比12.2%増の7050億円、予想純利益は39.9%減の270億円。19日終値1521円からアナリストらの平均目標株価1701.11円までの上昇余地は約11.8%
23年初からの株価推移
23年初からの株価推移
露光装置関連の「虎の子」を隠し持つのは?
建設機械国内最大手の $小松製作所(6301.JP)$は、グループ内の事業売却に取り組む中、稼ぐ力が高い半導体露光用光源を手掛ける子会社「ギガフォトン」(栃木県小山市)を大事に保有し続けている。日経によると、ギガフォトンの営業利益率は親会社であるコマツを超え、推定企業価値は3000億円にのぼるという。深紫外(DUV)露光装置の光源をASML、ニコン、キヤノンといった露光装置メーカーに販売する。これらの露光装置メーカーの顧客となる $インテル(INTC.US)$やサムスン、 $タイワン・セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM.US)$、東芝など半導体メーカーには修理などでの部品販売、保守を行っている。ギガフォトンの競合はASML傘下に入った米サイマーで、シェアを二分している。
$小松製作所(6301.JP)$
建設機械で世界2位。首位の米キャタピラーが競合。大型ダンプトラックなど鉱山分野、産業機械も。24年3月期予想売上高は前期比3.3%増の3兆6600億円、予想純利益は4.2%増の3400億円。19日終値4353円からアナリストらの平均目標株価4850円までの上昇余地は約11.4%。ブルームバーグデータでは、EPS年間成長率が45.1%、売上高年間成長率が26.4%と高い。
23年初からの株価推移
23年初からの株価推移
関連銘柄の売上高・EPS年間成長率
日本が逆襲!半導体の回路描く「露光装置」関連銘柄は?AIなど先端分野向け新技術や逆張り戦略でASMLに対抗
*成長率数値はブルームバーグデータ
―moomooニュースKathy
出所:日本経済新聞、日経クロステック、各社HP資料、Bloomberg、セミコンポータル、moomoo
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