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Moomoo 24/7 ·  04/10 08:36  · マクロ

米国労働省統計局が10日に発表した米3月の消費者物価指数(CPI)がコア指数ともに前月比・前年比で市場予想を上回った原油高でエネルギー価格が1年ぶりに上昇に転じた。インフレ圧力の根強さを示唆しており、FRBの利下げ期待が更に後退している。FRBは当面高金利を維持するとの見方を正当化する内容で、短期金融市場でも6月利下げの可能性を30%程度まで低下させているほか、年内は2回の利下げに留まるとの見方を強めている。

米3月の消費者物価指数(CPI)前年比3.5%上昇市場予想の3.4%を上回り、前期が3.2%上昇。伸び率は前月(3.2%)から2カ月連続で拡大し、昨年9月来で最大となった。前月比は0.4%上昇市場予想の0.3%を上回り、伸び鈍化予想に反し2月と同水準にとどまった。

エネルギーと食品を除く米3月のコア消費者物価指数(CPI)前年比3.8%上昇市場予想の3.7%を上回り、伸び鈍化予想に反し2月と同水準にとどまった。前月比は0.4%上昇市場予想の0.3%を上回り、前期が0.4%。FRBが注目しているとされる住居費を除いたサービスインフレ、いわゆるスーパーコアも前月比0.6%上昇、前年比4.8%上昇と、2023年4月以来で最も加速している。

強い米CPIの結果を受けて、米債利回り急上昇とともにドル買いが強まっている。円相場が1ドル=152円台に下落し、一時1ドル=152円46銭まで下落し、3月27日に付けた1990年7月以来の安値(151円97銭)を下回った。しかし、その後は売りが交錯しており152.05付近まで反落する場面があった。152円を抜けたため、オプションに絡む取引などで円安・ドル高がさらに加速し、日本の通貨当局が円買い介入に踏み切ることへの警戒感も高まっている。

利下げ先送り観測がさらに強まり、米国債相場は大幅反落。米10年債利回りは4.34%台から4.50%台へと上昇し昨年11月来の高水準となった。

内訳は以下の通り:
食品は前年比2.2%増と、前期と一致。エネルギーは前年比2.1%上昇、前期は同1.9%減。中古車・トラックは、前年比2.2%減、2月は同1.8%減。サービスの中で最大のカテゴリーである住居費は2カ月連続の上昇となった。住居費は、前年比5.7%増で前月と一致。

米労働省労働統計局(BLS)が、都市部の消費者が購入する商品やサービスの価格の変化を調査して指数化したもの。変動が激しい食品とエネルギー価格を除いたコア部分の指数も同時に発表される。米国のインフレターゲットの対象は個人消費支出(PCE)デフレータであり、日本を含め多くの国でインフレターゲットの対象とされているCPIではない。しかし、発表時期が対象月の翌月15日前後と、対象月の翌月末もしくは翌々月初めとなるPCEデフレータに比べて2週間程度早く、変化の傾向が似ているため、市場の注目度は物価関連指標の中で最も高い。計測期間中の代替品の扱いの違いなどから、PCEデフレータに比べると水準は若干高く出ることが多い。

moomooニュース ー Sherry
出所:investing、MINKABU、Bloomberg

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