半導体株高はどこまで？2ヶ月で最大90％の上昇を記録

昨年から米国株式市場で半導体関連株が急騰している。過去3ヶ月間で世界の半導体関連株は約40％上昇し、半導体業界の株価売上高倍率は過去最高の9倍に達している。

人工知能（AI）ブームを牽引する $エヌビディア(NVDA.US)$は3倍以上の業績を上げ、S&P500の中で最も好調だった。この勢いは他の半導体企業の株価にも波及。9月14日にアメリカのナスダック市場に上場したばかりの $アーム・ホールディングス(ARM.US)$の株価は2月29日終値で141.04ドル。9月末の水準との比較では2.5倍になり、年初来から87.69%上昇した。 $アドバンストマイクロデバイシズ(AMD.US)$の株価が29日の取引で急伸し、時価総額が3000億ドル（約45兆円）を突破した。このほか、オランダの $ASMLホールディング(ASML.US)$や、 $ブロードコム(AVGO.US)$の株価は1.6倍になっている。

エヌビディアを評価した53人のアナリストのうち、49人のアナリストは、株価がすでに平均目標株価を突破しているにもかかわらず、「買い」または同等の評価を下している。しかし半導体関連株の時価総額が急騰し、株価売上高比率が過去最高を記録し、自動車用チップの需要見通しも楽観視できないことから、投資家は半導体関連株の上昇に慎重であるべきだと指摘するアナリストもいる。

半導体関連株の急騰は続くのか？
こうした半導体関連株に対して、強気の声が圧倒的多数であるが、Gavekal ResearchのCEOであるLouis-Vincent Gave氏が言うように、投資家は慎重であり続ける必要がある。最近、世界の半導体売上は回復しているが、2022年初頭に達成した月間最高値を超えるには至っていない。

電気自動車の需要鈍化も問題のひとつで、車載用チップの需要は鈍化しており、自動車やその他各種産業用途に使われるローエンドチップメーカーの株価は苦戦している。

それでも、半導体株は今後も力強く上昇すると考えるストラテジストは多い。今週初め、みずほ証券のアナリスト、ビジェイ・ラケシュ氏は、ブロードコム、エヌビディアの予想株価を引き上げ、これらの銘柄は旺盛な消費と需要により好調に推移すると指摘した。

Trivariate Researchの創設者であるアダム・パーカー氏は、これらの銘柄は引けにかけても保有する価値があると指摘した。大きな調整がいつ来るか予測できない以上、これらの銘柄を保有し続け、調整を乗り切ることが望ましいとしている。