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【日銀決定会合プレビュー】34年ぶり円安で金融緩和策に終止符?政策金利は据え置きでも金利上昇を誘導するかに注目

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moomooニュース日本株 コラムを発表しました · 04/24 07:53
日本銀行は25~26日に金融政策決定会合を開く。26日昼ごろに決定内容を公表し、15時30分から植田和男総裁による記者会見が行われる予定。
前回の3月会合で8年続いたマイナス金利の解除を決定したばかりで、今回は政策金利に関しては現状維持が確実視されている。その一方で市場からは、早期の追加利上げに向けた発信や、長期国債の買い入れの減額など、金利上昇につながる何らかのアクションがある可能性を指摘する声が出ている。
背景には、3月に利上げをしたにもかかわらず円がドル対比で5円以上値を下げ、34年ぶりの水準となった「想定外の歴史的な円安」がある。
3月会合ではゼロ金利解除も「緩和的な金融環境の継続」方針示す
前回の3月会合では大手企業を中心とした春闘での積極的な賃上げ回答が強力な後押しとなり、2016年2月から続いたマイナス金利を解除し、17年ぶりの政策転換となる利上げを実施した。併せて長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の撤廃と、ETF(上場都市信託)およびREIT(不動産投資信託)などリスク資産の買い入れの終了も決定した。
その一方で「現時点の経済・物価見通しを前提にすれば、当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている」と、追加利上げは急がないことも示唆した。
4月会合では現状維持が確実、追加利上げは今秋との見方が有力だが…
3月に17年ぶりの利上げをした直後ということもあり、4月会合では政策金利を変更しないことが確実とみられている。
15日発表のQuickによる4月の月次調査(外為)(20日付日本経済新聞)および、12~17日のブルーバーグによるエコノミスト調査(23日付ブルームバーグ)では、4月会合での政策金利の変更予想はほぼなかった。
追加利上げの時期については、Quickによる月次調査(外為)では10月(22%)が最も多く、9月(18%)、7月(17%)を合わせると5割を超えている。ブルームバーグによるエコノミスト調査でも10月が41%と最も多く、7月(19%)、9月(17%)で8割近くを占めている。
想定外の超円安が早期の追加利上げを強要する?
市場にとって3月会合での日銀の政策変更は「想定通り」の出来事だったが、「想定外」だったのは、利上げ後に円安が進んだことだった。日銀の利上げにより、日米の金利差縮小が意識されて円高に振れることも想定されたが、米国でのインフレ懸念の再発に伴い早期利下げ観測が後退したことから、逆に円安が進むことになった。ドル円レートは利上げが公表された3月19日に1ドル=150円台に再突入。足元では一時的に155円台になるまで急速に値を下げ、1990年6月以来、34年ぶりの円安水準で推移している。
【日銀決定会合プレビュー】34年ぶり円安で金融緩和策に終止符?政策金利は据え置きでも金利上昇を誘導するかに注目
急激な円安により、市場内では日銀による早期の追加利上げへの思惑が広がり始めている。12~17日にブルーバーグが実施したエコノミスト調査では、円安要因で日銀が利上げを余儀なくされるリスクに関しては、70%が「ある」と回答した(18日付ブルームバーグ)。「9月利上げがメインシナリオではあるが、6~7月への前倒しのリスクは高まりつつある」(BNPパリバ証券河野龍太郎チーフエコノミスト、23日付ブルームバーグ)といった見方も浮上している。
追加利上げの思惑で中期国債の利回りが上昇
追加利上げの思惑の広がりは、短期金利の上昇を促している。22日の2年国債の利回りは0.29%となり、09年6月以来の高さとなった。足元の翌日物金利スワップ(OIS)市場では、7割程度の確率で7月に日銀が追加利上げに動くと予想しているという(18日付日本経済新聞)。追加利上げ観測の高まりは住宅ローンの変動金利の基準にもなっている短期プライムレートの上昇圧力になるとみられることから、国民経済にさまざまな形で影響することも想定される
▲2年国債の利回りの推移(出所:日銀HP)
▲2年国債の利回りの推移(出所:日銀HP)
日銀は利上げせずに金利上昇を誘導?
4月会合では政策金利を据え置き、明確な円安対策としての追加利上げは行わないものの、金利上昇をある程度容認ないし誘導することで、為替に影響を与えるとの見方も出ている。
金利上昇の具体的な方法としては、次の3つが想定されている。
1.植田総裁などによる、早期利上げを示唆する発言
2.物価見通しの変更
3.長期国債の買い入れ額の縮小
1.早期利上げに関する示唆があるか
植田総裁は18日のG20閉幕後の記者会見で、急速な円安によって「基調的な物価上昇率に影響を与える可能性がある。無視できない大きさの影響が発生すれば、金融政策の変更もありうる」と発言。さらに19日には米ワシントンでの講演で、「基調的な物価の上昇が続けば、金利を引き上げる可能性が非常に高くなる」と述べた(20日付日本経済新聞)。26日の総裁会見や、会合後に公表される「主な意見」などでさらに踏み込んだ内容が発信された場合、市場が早期利上げを意識して金利が上昇する可能性がある
2.展望リポートで物価見通しを上方修正するか
4月会合では、1月会合に続く「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」が公表される。20日付の日本経済新聞によると、1月会合時に2.4%の上昇と見込んでいた24年度の消費者物価指数(CPI、生鮮食品除く)の見通しを上方修正するか議論するという。また、複数の関係者からの情報として、今回初めて示す26年度の消費者物価指数(CPI)の前年度比上昇率は2%程度となる見通しで、安定的な物価上昇が続くことを見込んでいるもよう2%の物価安定目標が長期的に継続する見通しが強まれば利上げの前倒しが想起され、金利の上昇につながることも想定される
ただし、植田総裁は23日の参院財政金融委員会では、現在は基調的な物価上昇率が「2%を下回っているので、緩和的な金融環境を維持していくことが適切だ」との認識を示している(23日付ブルームバーグ)。
なお、植田総裁は円安の影響についても、「どのように評価しているのか、展望リポートの中で取り上げて数値的にも示す」(18日のG20閉幕後の会見、19日付時事通信)としており、為替変動に対する日銀のスタンスを明示することが予想されている。
3.国債買い入れ方針が修正されるか
市場に直接影響が出るとみられるのが、長期国債の買い入れ額縮小に関する日銀からのメッセージだ。3月会合では、「これまでと概ね度程度の金額(足もとは月間6兆円程度と明記)で長期国債の買い入れを継続する」とし、長期金利が急激に上昇する場合には買い入れ額の増額など機動的に対応するとして、緩和的な金融環境の継続姿勢を示した。
植田総裁は4月19日に開催された米ワシントンでの講演で、長期国債の買い入れ減額について、「どのようなタイミングで、どのようなスピードで減らすかは時間をかけて検討し判断したい」と語っている(20日付日本経済新聞)。また、22日の参院財政金融委員会では「将来的にはもう少し買い入れ額を減らしていきたい」との考えを示した(22日付日本経済新聞)。
SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストは、4月会合では「円安をこれ以上加速させないために、『これまでと概ね同程度』という文言が修正される可能性はあるだろう」と指摘し、「国債買い入れ政策の修正は市場インパクトが大きくなりやすく、注意が必要だろう」と語っている(22日付ブルームバーグ)。さらに三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美チーフ債券ストラテジストは、「仮にこれが削除された場合、マーケットは近い将来の量的引き締め(QT)開始シグナルと身構えるだろう」と、警鐘を鳴らしている(22日付ブルームバーグ)。 
ーmoomooニュースMark
出所:日銀HP、Bloomberg、日本経済新聞、時事通信、moomoo
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コメント
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  • 183028323 : 投機筋には完全に見切られてる、介入出来ないのは明白。
    政策金利が2%に回復するまでは円安トレンド反転はイメージ出来ない。年末150円〜151円に収めきれれば政府としては大成功!