テスラの積極的な価格引き下げは、競争相手から絞り込むために必要なことかもしれない

テスラ(TSLA.US)の積極的な価格引き下げについて以前調査しましたが、一部の投資家は、競争が激化する EV 市場において同社が弱体化する兆しではないかと懸念しているようです。しかし、テスラの競合他社のマージンをよく見てみると、このような動きはテスラが競合他社を圧迫するために必要なことなのかもしれません。

テスラの売上総利益率は25％、純利益率は15％近くあります。これは、フォードやGMといった競合他社の売上総利益率が12～15％、純利益率が1桁台前半であることと比較すると、はるかに高い数値です。

テスラがより有利なマージンを享受できる理由は、そのスケールメリットと垂直統合された生産体制にあります。テスラは、バッテリーセルと電気モーターを自社で設計・生産しているため、コストを抑制し、効率を高めることができるのです。

さらに、テスラはギガファクトリーで自動化とロボット工学に投資し、生産性を高めて人件費を削減しています。最後に、テスラの販売・流通モデルは、ほとんどがオンライン販売と直営店に依存しており、これもコストを低く抑えるのに役立っています。

競合他社に比べて利益率がかなり厚いテスラは、競合他社の収益性を直接圧迫する一方で、自社の収益に大きな影響を与えずに値下げを行う余裕があると思われます。

値下げは、テスラが市場シェアを拡大し、より幅広い顧客に同社の製品を利用してもらい、販売台数を増やすためにイーロン・マスクが提唱してきた行動でもあります。

しかし、テスラにとって、必ずしもバラ色のベッドが広がっているわけではありません。次回は、テスラへの投資のリスクについて、より多くの情報を得た上で投資判断ができるように、テスラの一部について見ていきたいと思います。