智通財経アプリによると、IBM(IBM.US)はコンサルティング部門の販売不振により投資家の期待を裏切り、市場後取引で約9％下落し、買収したソフトウェア会社HashiCorp(HCP.US)の取引に影響を与えました。

同社は水曜日の声明で、IBMの第1四半期の売上高が前年同期比1％増の145億ドルに達したと述べた。また、IBMは先に予想したフリーキャッシュフローが120億ドルに達するという見通しを再確認した。

さらに、IBMは64億ドルの企業価値でHashiCorpを買収することに同意したと発表しました。HashiCorpは、主に企業のクラウド運用を管理するソフトウェアを販売しています。これは、2019年に318億ドルでソフトウェア企業RedHatを買収して以来、IBMにとって最大の買収となります。

この取引は、IBMのCEOアルビンド・クリシュナが伝統的なテクノロジー・ハードウェア企業を成長重視のソフトウェアやサービス企業に転換するための動きの一環です。Big Blue社は、昨年46億ドルでApptioを買収するなど、この分野で他の買収も行っており、ホスティングインフラ、天気、健康ビジネスも手放しました。

クリシュナは声明の中で、「HashiCorpは、現代の複雑なインフラストラクチャとアプリケーションを管理するのに優れた記録を持っている。」と述べ、「IBMの製品と知識をHashiCorpの能力と人材と組み合わせることにより、人工知能時代に特化した包括的なハイブリッドクラウドプラットフォームを構築することができます。」と語っています。

この株はニューヨークで184.10ドルで閉じた後、市場後取引で166.51ドルまで下落しました。今年に入って、この株は累積で13％上昇しており、S&P500情報技術セクター指数の6.2％の上昇を上回っています。

IBMのCFOジム・カバナ(Jim Kavanaugh)はインタビューで、HashiCorpの買収により、IBMはその世界的な顧客にRedHatの製品をプッシュすることになり、「Red Hat Playbook」を実行すると述べました。彼は、この取引が1年目にEBITDAを改善し、IBMの一部として、HashiCorpのフリーキャッシュフロー利益率が30％から40％になると補足しました。

クリシュナは声明の中で、2023年中期以降、IBMは人工知能を重視した製品とコンサルティングについて、10億ドルを超える予約を受けていると述べています。この数字の約2/3はコンサルティングビジネスであり、大半は2025年に収益として確認される予定です。

投資家はIBMの第2の主要事業であるコンサルティング部門の落ち込みが問題になっています。3月31日現在、この部門の収入は52億ドルで、前年同期と同じ水準です。

Bloomberg Intelligenceのシニアアナリスト、アヌラグ・ラナ(Anurag Rana)は、「IT支出の低迷」がコンサルティング事業の業績に影響を与えていると述べています。カバナは、経済環境が不確定であるため、顧客は引き続き支出を締め付けていると説明しています。

RedHatの売上は9％増加し、同社が毎四半期20％以上の成長を経験した時期に比べて比較的緩やかな時期でした。一部のプロジェクトを除いて、同社の1株当たり利益は1.68ドルとなりました。

2021年1月に終了した直近の財務年度では、HashiCorpの売上高は22％増加し、5.83億ドルに達しました。William Blairのアナリスト、ジェイソン・エイダー(Jason Ader)は、「販売実行力とクラウド移行のスピードが鈍化したため、同社は最近苦境にあった。」と語り、IBMの一部となることで、HashiCorpはより標準化された販売方法とより優れたツールバンドル能力を得て、定期通信の価値を向上させることができると付け加えています。