1. 年間取引報告書と、損益カレンダーの損益が異なる理由
年間取引報告書と損益カレンダーでは、計算方法と参照する為替レートが異なるため、表示される損益に差が生じることがあります。
1.1 計算方法の違い
年間取引報告書：実際に確定した実現損益のみを集計しています。
損益カレンダー：期首からの評価損益（含み損益）＋実現損益を合わせて計算しています。
両者の計算ロジックが異なるため、取引内容によっては損益が一致しない場合があります。
1.2 適用為替レートの違い
年間取引報告書に記載される為替レート：税務計算に利用するためのレートで、国内金融機関の TTB/TTSを採用しています。これは確定申告にも利用される「帳票レート」です。
損益カレンダーで参照される為替レート：市場のリアルタイム為替レートを使用しています。
参照する為替レートの違いより、特に米国株などの外貨建資産では、両者で損益が異なることがあります。
2. 源泉徴収計算書と、損益カレンダーの損益が異なる理由
源泉徴収計算書の損益が損益カレンダーの値と大きく異なる場合、以下のような取引状況が影響している可能性があります。
- 現物取引で日計り（デイトレード）の回数や金額が大きい場合
- 外貨建MMFの取引頻度や金額が大きい場合
- 信用取引の件数や金額が大きい場合
源泉徴収計算書では、外貨建の取引について
買付時はTTSレート、売却時はTTBレート（いずれも取引日前日10時の三菱UFJ銀行のレート）を使用しています。
このため、実際には利益が出ていても、源泉徴収計算書上では損失として計上される場合があります。
【例：株価1ドルの銘柄をデイトレードした場合】
例として、「銘柄A」を株価1ドル・数量10,000株・為替が155円相当の時に買付したとします。
その後、同日に株価が1.01ドルに上昇したため全株売却し、100ドルの利益（プラス取引）を得ました。
しかし、源泉徴収計算書では以下のように計算されます。
- 取得金額：10,000ドル × TTS 156円 = 156万円
- 譲渡金額：10,100ドル × TTB 154円 = 155.54万円
➡ 源泉徴収計算書上の損益：－4,600円（損失）
このように、為替レート差の影響により、実際の損益と源泉徴収計算書の損益が大きく乖離することがあります。
取引回数や金額が多いほど、この調整額（マイナス計上）は大きくなります。
なお、源泉徴収計算書上の損失は、確定申告を行うことで3年間繰り越し可能です。
