シンプルなアルゴ取引の戦略作成方法をご説明いたします。以下の手順でお試しください。
1. 新規と決済だけの戦略を作成
まずは、新規注文または決済注文の取引条件を明確に設定する必要があります。
今回はダブル移動平均戦略を例に説明します。ダブル移動平均線戦略とは、二本の移動平均線を使います。
短期平均線が長期平均線を上回った場合に新規注文し、短期平均線が長期平均線を下回った場合に決済注文を発注するものです。
したがって、新規注文と決済注文の発注経路が分かります。上部は新規注文の経路であり、下部は決済注文の経路です。
MA(5)がMA(10)を上回る場合、新規注文します;MA(5)がMA(10)よりを下回る場合、決済注文します。
この取引戦略にはまだ改善の余地があります。 「MA(5)>MA(10)」というゴールデンクロス条件は、株価上昇過程で持続的に満たされる可能性があります。条件を満たすたびに新規注文すると、建玉がどんどん増えてしまう可能性があります。場合によっては信用枠も利用される可能性があります。なので注文条件をさらに制御する必要があります。 「MA(5)>MA(10)」、「MA(5)<MA(10)」という条件で1回転のみ売買したい場合はどうすればよいのでしょうか。「建玉はありますか?」という判断条件を追加してみましょう。建玉がない場合にのみ、新規注文条件を満たしているかどうかを判断します。
建玉がある場合には、決済注文条件を満たしているかどうかを判断します。 このようにすれば、新規注文条件を満たして取引が行われると、建玉が存在することになります。次回の判断は、下部の黄色部分が示すように、決済注文のロジックに移行し、新規注文は繰り返し発注されません。
戦略全体をより完善にするために、新規注文前に買付余力の判断条件を追加して見ましょう。これにより、買付余力不足による注文失敗を回避できます。
このロジックを理解していただくと、ダブル移動平均戦略がわかりやくなります。
上記のロジックをベースとし、新規注文と決済注文だけのシンプルな戦略の汎用的なテンプレートが作成できます。これにより、同様の戦略を作成する場合は、テンプレートを適用し、対応する位置に新規注文条件と決済注文条件を埋め込むだけで簡単に新しい戦略を作成できます。
買い増しを含めた戦略は、シンプルな戦略に下部緑色の部分を追加すれば簡単に作成できます。決済条件を満たしていない場合、買い増しの条件が満たされているかどうかを判断します。買い増し条件が満たされている場合は追加注文を出すことができます。もちろん、「買い増し条件が持続的に満たされ、建玉が急増する」ようにならないよう、最後に買い増し条件を更新する必要があります。
利食い・損切り条件付きの戦略は元の黄色い部分の決済条件を利益確定の決済条件に変更し、前述のシンプルな戦略に紫色の部分を追加するだけで作成できます。
利食い条件を満たさない場合、損切り条件を満たしているかどうかを判断します。損切り条件が満たされている場合は決済します。
これまでに説明した紫色(損切り)と緑色(買い増し)の部分を統合すれば、買い増しと利食い・損切りが可能な戦略テンプレートが作成できます。
建玉が存在する場合、まず利食い条件を満たしているかどうかを判断し、満たしている場合は利食い決済を行います(すべての建玉を決済する)。利食い条件を満たさない場合は、損切り条件を満たしているかどうかを判断し、満たしいている場合は損切り決済を行います(すべての建玉を決済する)。損切り条件も満たしていない場合は、買い増し条件を満たしているかどうかを判断し、満たしている場合は、追加注文をし、買い増し条件も更新します。
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