東京市場サマリー：日経平均907円高　日銀会合後の155円突破で為替介入の可能性、準備は整う－ＢｏｆＡ

市場概況
今日の東京株式市場で日経平均株価は前営業日比907.92円高の38460.08円、東証株価指数（TOPIX）が44.50ポイント高の2710.73で終了した。

トップニュース
日銀会合後の155円突破で為替介入の可能性、準備は整う－ＢｏｆＡ
日銀の金融政策決定会合を受けて円相場が対ドルで１ドル＝155円を試す場合、財務省が為替介入に踏み切る可能性があるとバンク・オブ・アメリカ証券ではみている。山田修輔主席は、152円を超えた４月上旬と比べ「通貨外交」「ドル・円上昇」「世論」「ボラティリティー」の観点から為替介入の用意は整った可能性があると分析。通貨外交では、米国や主要７カ国（Ｇ７）の理解を得ようとしたほか、韓国との協調も議論した可能性があり、為替介入のハードルは低下したとの認識を示す。

自民党内に日銀の追加利上げは時期尚早との声－年内は困難との見方も
円安が急速に進む中、日本銀行の追加利上げ観測に自民党内から時期尚早との声が上がっている。総裁選や年内にも取り沙汰される衆院解散・総選挙などの政治日程を控え、国民生活に不安を与えかねない材料を可能な限り排除したいとの思惑が背景にはある。西田昌司参院議員は、７月や９月に追加利上げに踏み切る可能性について「あり得ない」と切り捨てた。中小企業は人手不足を補うための賃金上昇を迫られており、利上げによる借り入れ負担の増加を受け入れる余力がないとも指摘。

23年度の実質成長率は1.2%、24年度は0.3%　NEEDS予測　24年度は消費・設備投資の回復が持続
日本経済新聞社の経済・金融データサービス「NEEDS」の日本経済モデルに、2024年4月23日までに公表された各種経済指標の情報を織り込んだ予測によると、23年度の実質成長率は1.2%、24年度は0.3%の見通しになった。

注目銘柄
ルネサス、株価1割高　米TIの予想以上の見通し好感
$ルネサスエレクトロニクス(6723.JP)$が急伸。一時10.45%高の2519円50銭を付けた。ルネサスと同様に車載向け半導体に強みがある米半導体大手 $テキサス・インスツルメンツ(TXN.US)$（TI）が23日夕に公表した2024年4〜6月期の業績見通しが市場予想を上回った。25日に24年1〜3月期決算を発表するルネサスにも好業績を期待する連想買いが優勢となっている。

旭化成が一時５％安、ＥＶ電池工場に２０００億円投資と報道
$旭化成(3407.JP)$が軟調。日本経済新聞電子版が２４日、「旭化成が電気自動車（ＥＶ）向け電池の主要部材の工場をカナダに新設する」と報じた。投資額は２０００億円規模になる見込みという。将来的な業容拡大が期待される一方、大型の設備投資に伴う収益圧迫への懸念が高まり、同社株は報道を受けて一時４．８％安の１０４６円まで売られる場面があった。その後は下げ渋る動きをみせている。

ＩＨＩは後場急落、船舶用エンジンで燃料消費率の測定データを改ざん
$IHI(7013.JP)$の広報担当者によると、同社子会社のＩＨＩ原動機は船舶用エンジン組み立て後の試運転の成績書で、実際に測定された燃料消費率と異なる数値を記載していた。同報道は、ＮＨＫが関係者への取材を基に先に報じていた。同社広報担当者はブルームバーグの電話取材に、子会社のＩＨＩ原動機においてＮＨＫが報道する事案があったことは事実だとした。その上で、事実関係の調査と原因究明に取り組んでおり、本日午後に適時開示を予定していると述べた。

ＩＮＰＥＸや石油資源は高い、ＷＴＩ価格は８３ドル台に上昇◇
$INPEX(1605.JP)$や $石油資源開発(1662.JP)$は高い。２３日の米原油先物相場はＷＴＩ（ウエスト・テキサス・インターミディエート）の６月限が前日比１．４６ドル高の１バレル＝８３．３６ドルに上昇した。イスラエルとイランの対立は小康状態となっているが、パレスチナ自治区を巡る緊張状態にあり、中東情勢への警戒感は続いている。