ミーム株急騰！ゲームストップやAMC、火付け役が再登場！21年と同じ轍を踏む？

ミーム株として “一世を風靡した” $ゲーム ストップ A(GME.US)$ や $AMCエンターテインメント HD A(AMC.US)$の株価が5月13日に急騰した。ビデオゲーム会社のゲームストップは一時119％高、映画館チェーンのAMCは一時102％高となり、終値ベースでもそれぞれ74％高、79％高となった。

2021年のミーム株の火付け役とされているキース・ギル氏（ニックネームは「ローリング・キティ」が3年ぶりにソーシャルメディアのＸに投稿したことがきっかけだ。同投稿では、ゲームのコントローラーのようなものを持って身を乗り出している男性が描かれていたため、ギル氏の復活の憶測を呼んでいる。

5月13日の相場は、米国のインフレ動向を示す重要な指標である生産者物価指数（PPI）と消費者物価指数（CPI）の発表（それぞれ14日と15日）を前に積極的な売買は控えられていた。そのため、相場全体は凪相場だったため、ミーム株の急騰ぶりは特に注目を集めた。

5月13日のミーム株の復活は、2021年と同じ轍を踏むだろうか。

2021年のギル氏の影響力や5月13日の関連銘柄の急騰ぶりからすると、その可能性はあるかもしれない。他方、当時はパンデミック初期で中央政府による市場への流動性供給や個人への給付金支給により株式市場では「お金がじゃぶじゃぶの状態」だった。いわば流動性相場だった。この点は現在の状況と異なる。Liquidity（流動性）の観点からすると、今回は2021年のような急騰ぶりにはならない可能性があろう。

もっとも、2021年にミーム株のブームが去った後、ゲームストップとAMCの株価はそれぞれピークから60％以上、99％以上下落している。ミーム株のブーム期間中においても株価は急騰急落を繰り返した。

ミーム株は一般的にファンダメンタルズが弱く、空売り比率も高く、株価は一時的な需給に大きく左右されやすいためだ。したがって、ミーム株の高いボラティリティには注意が必要と言えよう。注意喚起として関連銘柄について、Bloomberg記事をもとにまとめた。

●空売り比率の高い銘柄群
Bloomberg記事によると、ゲームストップは空売り比率の高い銘柄で構成されているETFの構成銘柄だ。5月13日はゲームストップだけでなく、同ETFの構成銘柄の多くも上昇した。たとえば、新興EVメーカーの $リビアン オートモーティブ(RIVN.US)$ や $ルシード グループ A(LCID.US)$ 、および仮想通関関連銘柄の $マイクロストラテジー A(MSTR.US)$ が上位騰落率リストに入っていた。

●ミーム株として認識されている銘柄群
Bloomberg記事では、その他に5月13日に上昇した銘柄として、充電ネットワーク関連企業の $EVgo A(EVGO.US)$ 、 $チャージポイント ホールディングス(CHPT.US)$ 、 $ブリンク チャージング(BLNK.US)$ 、および $アイロボット(IRBT.US)$ 、 $レッドフィン(RDFN.US)$ 、 $ロケットカンパニーズ A(RKT.US)$ などを挙げた。 $ヴァージン ギャラクティック ホールディングス(SPCE.US)$ など宇宙関連株も急騰したという。

なお、ミーム株の場合はファンダメンタルズに基づかず、一時的な需給によって株価が急騰急落する恐れがある点について、重ねてご留意いただきたい。相場全体に対するインプリケーションとしては、今回のミーム株急騰は投資家のリスクテイク志向が戻ってきたことを示唆しているかもしれない。その意味でいうと、警戒は必要だが、相場全体に対してはプラスに働く可能性もあろう。