どこよりも分かる【テスラ決算Q3まとめ】

米電気自動車（EV）大手の $テスラ(TSLA.US)$が現地18日引け後に第3四半期（7 ‐ 9月期）決算を発表した。足元では、株価は木曜日で9%近く下落。

●売上高：233.5億ドル（市場予想240.6億ドル）、前年同期比9%増、伸び率約3年ぶりの低水準

●調整後EPS：0.66ドル（市場予想0.74ドル）、前年同期比37％減

●粗利益率：17.9％（市場予想18.0％）、前年同期の25.1％から低下

●フリーキャッシュフロー（FCF）：8.48億ドル（市場予想25.9億ドル）、前年同期比74％減

●世界出荷台数：43.5万台（市場予想45.6万台）、四半期として約1年ぶりに減少

●生産台数：180万台に据え置き（予想：182万台）

テスラの第3四半期は、粗利益率が低下し、市場予想をやや下回った。金利が上昇する中、需要を押し上げるために実施した値下げが響いた。同社は、第3四半期の売上高や収益力に影響を与えたいくつかの要素をまとめた。

●ポジティブな要因

納車台数の増加、米EV税控除など。

●ネガティブな要因

金利の上昇、値下げ、平均販売価格（ASP）の下落、「サイバートラック」やAIへの研究開発費、工場のダウンタイムなど。

決算発表に先立ち同社は、工場のダウンタイム（稼働停止時間）が生産に響き、第3四半期の世界出荷台数は約43.5万台と、四半期としては約1年ぶりに減少したと発表した。

生産・納車台数は前年同期を上回ったが、前期比では減少した。また、2023年の生産台数目標を約180万台に据え置いた。投資家やアナリストは、全般的なEV需要減速の中でテスラが第4四半期に過去最高の47.6万台を納車して年間目標（180万台）を達成することを目指す中、さらなる値下げが必要との見方を示している。

テスラはAIプロジェクトのためのコンピューティングパワーを「2倍以上に増やした」という。これは、増加するトレーニングデータセットと、人間型ロボット「Optimus」のトレーニングをコード化されたソフトウェアからAIに切り替えるためだ。「AI開発を加速するために、世界最大級のスーパーコンピュータの1つを導入し、コンピューティング能力を第2四半期と比較して2倍以上に増やした」と指摘。

「サイバートラック」は予定より約2年遅れており、11月末に納車が始まると同社が18日に発表した。サイバートラックは、モデル3とモデルYの販売台数に大きく依存するテスラの今後の成長のカギを握ると見なされている。

イーロン・マスク最高経営責任者（CEO）は第3四半期決算説明会で、「約100万人がサイバートラックを予約した」ことを明らかにしたものの、サイバートラックが「キャッシュフローに大きく貢献する」ようになるには少なくとも1年半かかると警告した。年25万台の出荷が可能になりそうだが、恐らくそれは2025年まで実現しないだろうと指摘。「希代の特別な製品は、市場投入や量産、黒字化が信じがたいほど難しい」と述べた。

モルガン・スタンレー、目標株価を400ドルから380ドルに引き下げ；
ウェイド・ブッシュ、目標株価を350ドルから310ドルに引き下げ；
バンク・オブ・アメリカ、目標株価を300ドルから290ドルに引き下げ；
シティ、目標株価を271ドルから255ドルに引き下げ；
ゴールドマン・サックス、目標株価を265ドルから235ドルに引き下げ；
ウェルズ・ファーゴ、目標株価を260ドルから250ドルに引き下げた。