【決算まとめ】マイクロソフト 増収増益で予想上振れ、クラウドのAzureも好調

決算発表直後の株価反応：4月25日の時間外取引で4.4％上昇
・OpenAIのAIテクノロジーを自社製品へ導入したことによる恩恵は、今回の決算でも示された。
・主力部門が全般的に堅調だったほか、注目のクラウド事業、Azure＆他のクラウドサービスの売上高は前年同期比で31％増加し（AIサービスが7ポイントの成長に貢献）、市場予想（同29％増）を上回る高成長となった。
・AI製品・サービスの利用拡大も続いている。

★ガイダンスも予想上振れ
・4Q（4-6月期）ガイダンス：Azure＆他のクラウドサービスの売上高は前年同期比30～31％増になる見通し（市場予想29％増）
・2025年6月期は2桁の売上高と営業利益の成長が見込まれる、営業利益率はクラウドとAIへの多額の投資などを考慮しても前年比で1ポイントしか低下しないと予想している。

★経営陣の主なコメント
・当社のAIイノベーションは、OpenAIとの戦略的パートナーシップに基づいて構築され続いている。現在、フォーチュン500企業の65%以上の企業がOpenAIの最新技術にアクセスできるクラウドサービスのAzure OpenAIを使用している。
・Azureは競合から再びシェアを獲得した。Azureへの移行による収益の増加もみられている。1億ドル以上のAzure取引数は前年同期比で80％強、1,000万ドル以上の取引数は2倍強増加した。
・WindowsのCopilotは現在、2億2,500万台のWindows 10およびWindows 11 PCで利用可能で、前年同期比で2倍の増加となっている。

★目標株価の変化
決算発表前に比べて、4月26日の目標株価は0.6％の引き上げ。

★ウォール街からは、ポジティブコメントが目立つ
・Bloomberg Intelligence：クラウドの成長は、不透明な経済状況にもかかわらず、顧客が拡張的なワークロードを選択していることを示唆している。成長に対するAIサービスの貢献は予想以上に大きい可能性がある。
・Barclays：ここ数日、決算を控えて神経質になっていたが、Azureの好調な数字とコンセンサスを全面的に上回る決算は、好調なエクイティ・ストーリーを確認するのに十分なものとなった。
・Hargreaves Lansdown：マイクロソフトの大幅なAI投資は、その強力なクラウドビジネスの利益を牽引してきた。そして重要なメッセージは、マイクロソフトは同業他社と比較した場合、長期的にAI需要の最大の受益者であり続ける可能性があるということ。

★生成AIで次の成長ステージに向けて着々
生成AIの火付け役となったChatGPTを開発したOpenAIへの巨額投資は、マイクロソフトにとって次の成長ステージに向けた最良の投資だったと言えよう。OpenAIのAIテクノロジーを自社製品へ導入したことによる恩恵は、今回の決算でも示された。

AI製品・サービスの利用拡大も続いており、今後の業績拡大を支えると見込まれる。足元はバリュエーション面での割安感はないかもしれないが、決算内容は中長期保有に相応しい銘柄としての安心感を与えたと言えよう。