【決算プレビュー】AMD、AIチップの売上は市場を驚かせるか？

● $アドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD.US)$ は日本時間の05月01日の06:00、24Q1(1-3月期)決算を発表する予定。
●2024Q1の業績予想、売上高が前年同期比1.85%増の54.52億ドル、EPSが前年同期の赤字から黒字に転換の0.17ドルと予想。
●79.41％のアナリストは強気レーティング、目標株価の平均が205.07ドル。
●AIチップの売上は市場に注目されている。

moomooによると、市場は24Q1の業績予想、売上高が前年同期比1.85%増の54.52億ドル、EPSが前年同期の赤字から黒字に転換の0.17ドルと予想している。

79.41％のアナリストは強気、目標株価の平均が205.07ドル
moomooによると、アナリストが提示する目標株価の平均は205.07ドル。アナリスト34人のうち79.41％が強気、20.59%は中立を推奨。弱気を推奨するアナリストはいない。

AIチップの売上は市場に注目
データセンター部門は同社最大の事業部門となっている。同事業の製品には、EPYC（CPU）、INSTINCT MI300X（GPU）、INSTINCT MI300A（APU）などがある。市場が最も注目しているのは、AI GPUからの収益である。

1月30日に行われた前四半期の決算説明会で、AMDはAI向けGPUによる2024年の売上高を35億ドル超と予想したが、これは予想を下回った。ウォール街は予想を60億ドル程度に引き上げていた。今回の決算では、関連情報の更新が市場に注目される。

2023年12月6日、AMDはデータセンター向けInstinct MI300アクセラレーターとプロセッサーを発表し、高性能コンピューティングとAIアプリケーションで $エヌビディア(NVDA.US)$ のH100シリーズデバイスと競合した。一方、Nvidiaは今年の3月18日、最新のAIプロセッサーBlackwellシリーズを発表した。Blackwellシリーズは2024年後半に発売される予定で、Nvidiaは採用を促進するために手頃な価格にする計画である。同シリーズは、大幅な性能向上を実現しながら、より効率的である。この動きはAMDにとって潜在的なリスクと見られている。

アナリストらの観点
みずほのデスク・アナリスト、ジョーダン・クライン氏は、決算を前にして「落ちるナイフを掴んでしまうかもしれない」という懸念から、積極的に買おうという投資家はほとんどいないと見ている。AMDがAI製品「MI300」に関する不明確な情報を提供したり、少なくとも35億ドルという今年の収益見通しを引き上げなかったりするのではないかという懸念がある。クライン氏によれば、MI300の見通しは株価を支え、潜在的な買い手を惹きつけるために極めて重要であると。

TDコーウェンのアナリスト、マシュー・ラムジー氏は、投資家はAMDへのアプローチにおいて大勢に従っていると考えている。今期のAMDはファンダメンタルズよりもセンチメント（上下）の方が大きく変化しているが、「目先のセンチメントの群集心理には驚かされっぱなしだ」と同氏はコメントしている。ラムジー氏は、「MI300期待に関する短期的なセンチメントが超変動的」なのは過大評価であり、AMDはNvidiaに代替する強力な存在であり続けるだろうと考えている。

HSBCのアナリスト、フランク・リー氏は、NvidiaがAI GPU市場で100％のシェアを維持することはないと予測している。リー氏の予想では、2025年までにAMDが市場の10％を占め、AI GPUの売上が123億ドルに達する可能性がある。「2025年にNvidiaがGB200プラットフォームで覇権を握るという市場の懸念にもかかわらず、我々はMI300がGB200と直接競合することはないと考えている」と彼は述べている。MI350/M375/MI40は、NvidiaのGB200と直接競合する製品になると彼は予想している。