2025年11月23日
1番「カバーストーリー」は、欧州株のラウンドテーブルだ。今年のMSCI欧州指数は年初来27%高で、S&P500 の12%高を大きく上回り、十数年続いた米国株の優位が終わりそうだ。ラウンドテーブルの参加者は金利正常化、財政支出増加、AIを中心としたイノベーションで欧州企業の投資魅力を強調し12銘柄を紹介している。欧州株には米国のプラットフォーマーのような超大型ハイテク銘柄は見当たらないが、例外は極端紫外線露光装置のASMLホールディングス<ASML>だ。それにLVMHモエヘネシー・ルイ・ヴィトン<LVMH>も欧州ならではのグローバル銘柄だ。それ以外は金融や医薬品でバリュー銘柄としては評価できる。ただし、長年欧州銘柄を横目で眺めている私は手を出さない。
2番「フィーチャー」はビットコインの保有をビジネスとするストラテジー <MSTR>の優先株式の紹介。ビットコインの高騰につれて同社株価も急騰し、昨年暮れには500ドルまで買われた。ただし直近はその3分の1ほどまで下落している。記事では、同社が発行する4つの優先株式が利回り10~15%台と魅力的な水準にまで下がっているので、リスク覚悟でなら一考に値するとの見解だ。優先株式は債券に類似した高利回りの固定配当が魅力で昔から個人に人気がある。この銘柄の場合、日本の個人投資家はあえて手を出す必要はないと思うが、念のため以下が優先株式のティッカーシンボルと愛称だ。<STRC>はストレッチ、<STRD>はストライド、<STRF>はストライフ、<STRK>はストライク。
3番「フィーチャー」はナスダック市場に上昇する怪しい超小型銘柄についてだ。カリブ海のタックスヘイブン(租税回避地)を拠点とした銘柄の中で、異常な高騰を演じその後一気に大暴落するなど、相場操作を疑われるケースが頻発しており、規制当局も対応を強化している。日本でいう「仕手株」、米国では「ミーム株」に相当するのだろうが、実体はもっと質(たち)が悪い。記事では中国のヘルスケア銘柄、フェトン・ホールディングス<PTHL>を事例に説明している。形式基準をクリアすれば上場できるのだろうが、玉石混交だ。日本の個人投資家も手を出すべきではない。
4番「フィーチャー」はトランプ政権の政策を好意的に評価した記事だ。感謝祭で集まる家族の食卓では、トランプ大統領に対する厳しい批判も飛び交うことだろう。ただし、これまでの政策を別の角度から客観的に評価すれば、あながちマイナス面ばかりではないというのが著者の見立てだ。その中で、好調な株式市場は政策の効果というより、人工知能(AI)の投資ブームがもたらす僥倖だという。ではその評価ポイントは?記事で確認いただきたい。
6番「経済政策」は米国の利下げ期待が高まる中、世界の投資家が注目すべきなのは米連邦準備制度理事会(FRB)だけでなく、日本の政策にも注視すべきという趣旨だ。日本の超低金利と大規模な量的緩和で、世界の債券利回りにはこれまで下方圧力がかかってきた。ところが高市政権の拡張的政策への期待が高まり、円安が進行し、日本の長期国債の利回りが急騰した。その結果、日本の機関投資家は海外債券に投資するインセンティブを失っているという。日本の政策転換が世界の資金潮流を変えうるとの趣旨だが、影響はそれほど大きいのだろうか?
9番「投資戦略」は少額の配当を払っているエヌビディア<NVDA>と配当利回りが低下傾向のS&P500指数に関する分析だ。1999年1月に上場したエヌビディアは2012年に初めて配当を支払い、その後は小幅ながら毎年11月に増配していた。株式分割もあり、現在の四半期配当は1株当たり0.01ドルだ。その結果、配当利回りはわずかに0.0002%でS&P500指数構成銘柄の中で最も低い。記事はエヌビディアの配当と、1.1%にまで低下したS&P500指数の配当利回りを関連付け、そろそろ有配銘柄に出番が来るかもしれないと分析しているが、説得力に欠けると感じた。
10番「経済スケジュール」前段のコラムは、クルーズ船事業をここ数年の不振の突破口にしたいウォルト・ディズニー<DIS>を取り上げている。株価は年初来6.4%安で精彩を欠いている。同社は昨年クルーズ船「トレジャー号」を導入した。今週は「デスティニー号」を進水させた。さらに来年3月には最大級の新造船「アドベンチャー号」の就航も予定している。そしてこの事業部門がストリーミング事業に加えて、来年の焦点になるというのだ。今度こそ輝きを取り戻せるだろうか。
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