日清食品ホールディングス株式会社 (社長・CEO:安藤 宏基) は、慶應義塾大学 医学部 スポーツ医学総合センター (医学部長:金井 隆典、以下 慶應大学) と社員のWell-being向上を目的としたアルゴリズム開発に関する共同研究を行い、自律神経活動*1 と生産性に関連があることを実証しました。
ウェアラブルデバイスから毎日計測できる心電図データを健康経営にも活用 弊社は、「テレワークうつ 予防チーム」による社員のケアや産業保健体制の強化など、社員のWell-being向上のためのさまざまな活動を行っています。中でも、心身に何らかの症状を抱えた状態で勤務し、本来のパフォーマンスが発揮できない状態を意味する「プレゼンティーイズム」は、健康経営において重視すべき指標であり、弊社でも予防や改善に取り組んでいます。
その一環として、自身でも気付きにくい「プレゼンティーイズム」を可視化し、Well-beingを向上させるアルゴリズムの開発を目的として、2022年度から慶應大学と共同研究を進めています。
2023年4月から日清食品籍の社員約700名に心電図が計測可能なApple Watch
*2 を貸与し、休日を含めた6カ月間、毎朝30秒間測定した心電図データのほか、歩数や睡眠時間のデータを収集しました。それらのデータを慶應大学が分析した結果、ストレスや疲労などの状態把握に有効な自律神経活動指標とプレゼンティーイズム値
*3 に関連があることを実証しました。
弊社では、この研究成果を社員のセルフコンディショニングに活用していく予定です。
*1 血圧や呼吸など、生命活動を維持するための体内調整を行う神経活動。 *2 今回の研究では、心電図機能を搭載したApple Watch Series 8を使用。 *3 健康問題による仕事のパフォーマンスの低下を表す指標。値が低いほど業務遂行能力が低下している状態を指す。 慶應大学との共同研究について 目的 採血のように身体に負担をかけることなく、ウェアラブルデバイスを用いて取得できる心電図データを活用して、ストレス状態、運動強度や運動量、睡眠時間を客観的に評価し、Well-being向上を目的とした行動変容を促すアルゴリズムを開発すること。 参加対象 日清食品籍 (日清食品のほか、日清食品ホールディングス、日清食品チルド、日清食品冷凍などへ出向している社員を含む) の国内社員 約700名 分析方法 2023年4月1日から9月30日までの183日間、心電図が計測可能なApple Watchで毎朝30秒間測定した心電図データのほか、歩数や睡眠時間のデータを統計的に解析 課題 これまで、心電図データの解析には医療機関で用いるような心電図測定装置が必要で、頻繁に測定することは困難でした。しかしながら、心拍数や心拍変動は、睡眠、食事、ストレス、病気など多くの要因で常時変動していることから、ある一点で捉えた心電図データでは、うつや不安、ストレス、Well-beingの予測が難しいという課題がありました。 また、社員の「プレゼンティーイズム」も、年に数回実施するアンケートで測定するのが一般的ですが、主観的であるうえに測定の頻度も低いことから、測定結果に基づいて対策を立てづらいという課題がありました。 概要と結果 毎朝の心電図データ、歩数や睡眠時間のデータをApple Watchで収集し、ストレス状態や自律神経活動、「プレゼンティーイズム」との関係を検証しました。(図1) ストレスや疲労などの状態把握に有効な自律神経活動指標である "緊張度" と "活性度" の2軸でその日の状態を分類したところ、Cの位置にある時はプレゼンティーイズム値が高く、Bの位置にある時はプレゼンティーイズム値が低いことがわかりました。また、この分類に歩数や睡眠時間のデータを加味することで、評価の精度がより高まることが実証できました。 慶應大学 医学部 スポーツ医学総合センター 勝俣 良紀専任講師のコメント 企業にお勤めの被験者約700名を対象に、6カ月という長期間にわたって、毎日取得した心電図データを活用した研究は、従来にない大規模なものです。これまでは頻繁に測定することが困難だった心電図データを、常に身に着けているApple Watchを通じて取得することで、精度の高い心電図データを解析することが可能となりました。データ解析の結果、一定の法則性が実証されたため、ますます注目の集まるWell-being向上に役立つ、プレゼンティーイズム予測のアルゴリズム開発を加速できる見込みがあります。
日清食品グループの「健康経営」について 日清食品グループでは、創業者の安藤 百福 (あんどう ももふく) が掲げた「美健賢食 (びけんけんしょく)」(美しく健康な体は賢い食生活から) の精神に基づき、全社員が心身の健康を向上し、能力を最大限に発揮して業務にあたることを、経営における最重要課題の一つに位置付けています。2018年8月には「日清食品グループ健康経営宣言」を策定し、日清食品ホールディングスの代表取締役社長・CEOである安藤 宏基が責任者となって、社員の心身の健康保持・増進に向けた取り組みを戦略的に推進しています。全社員がWell-beingの向上と、仕事での高いパフォーマンスを両立できるよう、今後も社員の働く環境の整備に取り組んでいきます。
日清食品控股株式會社(總裁兼首席執行官:安藤裕樹)與慶應義塾大學醫學院運動醫學中心(醫學主任:金井隆典;以下簡稱慶應大學)就旨在改善員工幸福感和自主神經活動的算法開發進行了聯合研究*1 我們已經證明它與生產力有關。
利用可穿戴設備每天測量的心電圖數據進行健康管理 我們正在開展各種活動來改善員工的福祉,例如員工關懷和通過 “遠程辦公抑鬱症預防小組” 加強職業健康體系。最重要的是,“presentism”,即在工作時出現某種心理或身體症狀,無法表現出原始表現,是健康管理中應該強調的指標,我們也在努力預防和改善這種情況。
作爲其中的一部分,我們將從2022年開始與慶應義塾大學進行聯合研究,目的是可視化即使是自己也難以注意到的 “現在主義”,並開發改善幸福感的算法。
從 2023/4 年起,Apple Watch 能夠測量在日清食品註冊的大約 700 名員工的心電圖
*2 這是借出來的,除了包括節假日在內的6個月內每天早上測量30秒的心電圖數據外,還收集了有關步數和睡眠時間的數據。根據慶應義塾大學對這些數據的分析,自主神經活動指數和現狀主義值可以有效掌握壓力和疲勞等狀態
*3 已經證明它是相關的。
我們計劃利用這項研究的結果來培養員工的自我調節。
*1 神經活動,進行內部調整以維持生命活動,例如血壓和呼吸。 *2 在這項研究中,使用了具有心電圖功能的 Apple Watch Series 8。 *3 表示因健康問題導致的工作績效下降的指數。它表示一種狀態,在該狀態下,值越低,執行工作的能力越低。 關於與慶應義塾大學的聯合研究 目的 開發一種算法,通過利用可穿戴設備採集的心電圖數據,客觀地評估壓力狀態、運動強度、運動量和睡眠時間,而不會給身體帶來負擔,例如血液採樣,並鼓勵旨在改善健康狀況的行爲改變。 資格 約700名在日清食品註冊的國內員工(日清食品除外,包括借調到日清食品控股公司、日清食品冷藏、日清食品冷凍等的員工) 分析方法 除了每天早上使用Apple Watch測量30秒的心電圖數據外,該手錶可以測量2023/4/1至9月30日183天的心電圖,還對步數和睡眠時間的數據進行了統計分析 問題 到目前爲止,醫療機構等心電圖測量設備都需要分析心電圖數據,這使得頻繁測量變得困難。但是,由於睡眠、飲食、壓力和疾病等多種因素會導致心率和心率變異性不斷波動,因此存在一個問題,即在一個時刻採集的心電圖數據很難預測抑鬱、焦慮、壓力和幸福感。 此外,通過每年進行幾次問卷來衡量員工的 “現在主義” 是很常見的,但是由於調查是主觀的,而且測量頻率低,因此存在難以根據測量結果制定對策的問題。 概述和結果 每天早晨的心電圖數據,使用Apple Watch收集有關步數和睡眠時間的數據,並驗證了與壓力狀態、自主神經活動和 “臨場主義” 的關係。(圖 1) 當將當天的狀態分爲 “緊張” 和 “活動” 這兩個軸時,這兩個軸是有效掌握壓力和疲勞等狀態的自主活動指標,發現當位置C時,presentism值很高,而在位置B時,presentism值很低。此外,通過將有關步數和睡眠時間的數據添加到該分類中,可以證明評估的準確性得到了進一步提高。 慶應義塾大學醫學院運動醫學中心助理教授勝又義典的評論 使用在長達6個月的時間裏每天對在公司工作的約700名受試者採集的心電圖數據進行研究是一項前所未有的大規模研究。通過始終佩戴的 Apple Watch 採集迄今爲止難以頻繁測量的心電圖數據,現在可以分析高度精確的心電圖數據。由於某些定律已通過數據分析得到證實,因此有望加快開發有助於改善幸福感的現存主義預測算法,這種算法正吸引越來越多的關注。
關於日清食品集團的 “健康管理” 基於創始人安藤桃福(Momofuku Ando)倡導的 “biken kenshoku(biken kenshoku)”(美麗健康的身體始於明智的飲食)的精神,日清食品集團將所有員工定位爲改善身心健康並充分履行工作。《日清食品集團健康管理宣言》於2018年8月制定,日清食品控股總裁兼首席執行官安藤宏樹出任負責人,並戰略性地推動了旨在維持和促進員工身心健康的努力。我們將繼續努力改善員工的工作環境,使所有員工都能在工作中實現更高的福祉和更高的績效。